「Twitter乗っ取り」という言い訳ブームで社会的に追い詰められる人が続出

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 テレビ局との間で起こった揉め事に対して暴言めいたツイートを飛ばした香山リカ氏が、 「Twitterが乗っ取られた」と言い訳し、それに対して「では警察に行きましょう」と追い込まれ、結果的にアカウントに鍵を掛けるというまさかの展開を見せた事は記憶に新しい。

 それに続き、今度はアイドルグループのメンバーが暴言ツイートを飛ばし、運営が慌ててアカウントを削除するという騒ぎが起きた。これはアイドルグループ『PASSPO☆』のメンバー槙田紗子さんのアカウントから、ファンを気持ち悪いと言ってみたり、グループ参加後に複数回の枕営業をしていたと匂わすツイートが発せられた件で、所属事務所のプラチナムが「第三者によるツイートだと発覚した、法的処置を検討している」とアナウンスする事態に発展した。

 この他にも、細かいところでは様々なヤラかし案件の後に「乗っ取られた」と言い訳をする人間が数多く目に付き、いわば「Twitter乗っ取りブーム」とでも呼ぶべき状況になってしまっている。

 さて、こうした乗っ取り事件が事実ならばTwitter社の管理体制に不備があると言えそうだが、問題なのは”乗っ取りという言い訳” が信じられる案件と、どう考えてもそうではない案件が存在している点だ。

 PASSPO☆のように「犯人を特定して法的処置を」と公式に宣言し、さらに実際にそうした方向へ動いてくれれば乗っ取り被害も信用できるのだが、中には「警察に行こう、被害届を出そう」とせっつかれても、ああだこうだ言い訳を重ねて逃げる輩がいる訳で。そのような疑わしい人間が安易に「アカウントを乗っ取られた」と下手な言い訳を重ねる事は、Twitter社に対する信用毀損や営業妨害にあたるのではなかろうか。

 SNSを管理・運営する会社は、ユーザーに個人情報を預けられる相手だと信用して貰ってナンボの商売をしている。にもかかわらず、今後も乗っ取りブームが続くようであれば、それはTwitter社の信用を損なう結果にしかならず、黙って見過ごしていられなくなる可能性も高い。発言者が反射的にウソを付いてしまう子供ならば見逃して貰えそうだが、いい年をした大人がそれではあまりに情けないというもの。 ましてや社会的に責任のある肩書を持つ人間ともなればなおさらである。

 SNSでもブログでも「謝ったら負けだ」という思考に捕らわれている人間があちこちで目に付くが、それでは第三者のジャッジに常に晒され続けるネットという空間で信用を保つ事は不可能だろう。子供じみた言い訳が引き金となって予想もしない(自業自得の)大打撃を受ける事も充分に考えられると自覚すべきである。

Written by 荒井禎雄

Photo by 香山リカ公式Twitterより

悪いのは私じゃない症候群

反響続々。

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