都知事選に影響を及ぼしている”参院選2016″を総括してみた

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 参院選が終わったら、あっという間に東京都知事選に突入してしまいました! と書いたら、まるで私が頭から突っ込んでいったという感じですけど、そんなことはありません。そっと電柱の陰に隠れて見ている程度。はい、奥ゆかしいですから、わたくし……。

 それよりも参院選の総括ですよ! 久田編集長には前から頼まれていたんですけど、すみません。今になってしました!

 ということで、総括します。この間の参院選は一言でいえば、「ウハウハの公明党とガッカリの共産党。そしてしぶとく生き残ったものの、はいずったままで立ち上がれない民進党。これらを除いて全てもっていった自民党。及び存在感を出せなかったその他の政党」というところでしょうか(一言になっていないけど)。

 ウハウハの公明党というのは、目標が13議席だったのに、14議席もとっちゃったということです。しかも、猛烈に苦戦していた埼玉選挙区と兵庫選挙区で議席を獲得。実は私、開票日に公明党本部に行きました。あれは午後10時前でしたね、埼玉選挙区の西田実仁氏に当確が出たのは。

 それまでは、ちょっとしんどそうだった執行部役員の顔が、ぱっと明るくなったんですよ。兵庫選挙区の当確はまだ出ていませんでしたが、ここで空気が一変したことが印象的でした。

 その後、すぐに共産党に行ったのですが、これが暗かった……。

 2階に設置された開票センターに入ると、椅子に座る音もたててはいけないほど、シーンとしていました。ああ、窒息しそうなくらい暗い……。

 でも2014年の衆院選の時も同じ場所が開票センターだったんですが、あの時は明るかったのになー。あの明るさはどこへ行ったのかなー。もうあの明るさは取り戻せないのかなー。

 当選者ボードに花を付ける時なんぞ、志位和夫委員長があんまり暗い顔なので、カメラマンから「笑って、笑って」と何度もリクエストがありました。でも志位委員長は笑えないの、笑顔を作ろうと頬の筋肉はピクピクしているのに。

 これに比べたら、もうどん底を経験した民進党なんて、強いもんよ!岡田克也代表だって、普段より暗い顔は作れないし。ああいう時にはいいですよね、表情があまり出ない顔って。

 しかも完敗したわけではない。まずは1人区で11議席もとっちゃった。わたしが事前に予想したところでは、民進党に甘く評価して10議席獲得だったので、これは躍進といっていいと思います。そして北海道選挙区と愛知選挙区で、民進党の候補がそれぞれ2人当選したことです。どちらの選挙区も「民主党王国」と呼ばれていたところですが、その再興が予見されました。

 それでもなんとなくすっきりしないのは、「3分の2を阻止する」という当初の目的が低すぎたからでしょうね。だって阻止するのが民進党に限りませんから。全野党で阻止するわけですから。なんか、幹部の責任逃れそのものっていうイメージです。

 そして自民党。なんとか単独過半数を維持していますけど、すっきりしません。「改憲勢力が3分の2を超えた」などと報道されましたけど、本当に安倍晋三首相がやりたい憲法改正に賛成するのは、この中でどのくらいいるのでしょうか。

 ちゅうことで、再度総括すると、「やっぱりウハウハの公明党とこの上ないガックシの共産党。そして低い目標設定がうまくいったと自己満足している民進党と、『やー、もう何これ?ホンマにうちら勝ったん?投開票の時はうれしかったけど、あとでなんとなくむなしいわー』という感じの自民党」ということでしょうか。

 その「むなしさ」は、自民党分裂となった東京都知事選で解消してください!失恋の解消には別の恋人を見つけること!そして選挙のむなしさを消すには、別の選挙でむなしさを感じるのが一番効果的なんですから!

Written by 安積明子

Photo by がん患者/鳥越俊太郎

がん患者

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