三浦瑠麗炎上「スリーパーセルが動き出す。大阪はヤバい」発言こそがヤバい
国際政治学者・三浦瑠麗さんが炎上しています。2月11日「ワイドナショー」(FNN系列)で、北朝鮮の脅威というテーマにて、こう口を開きました。
「実際に戦争が始まったら、テロリストが仮に金正恩さんが暗殺されたとしたら、スリーパーセルが活動される……テロリスト分子がいるわけです、ソウルでも東京でも。今、けっこう大阪がヤバいと言われていて」(大意)
その後、MCの東野幸治さんの問いに対して「(スリーパーセルは)潜んでいます」と断言。これを巡って、「ヘイトスピーチではないか」「差別を助長させている」「関東大震災の時のデマを彷彿させる」といった批判が続出しました。
スリーパーセルとは、普段は一般人の生活をしていながら、裏では工作員活動をしている人間の事で、米テレビドラマ「24」では主に中東系の人間を「スリーパーセル」(テロリスト)に見立てていました。「24」では、中東系(もちろん国名は出していません)のテロリストは潜んでいるのだけれども、まともに生活をしているのに余波を食らった中東系アメリカ人の悲劇も描いています。
確かに日本にはスパイ(諜報員)が入り込んでいるでしょう。それは北朝鮮だけでなく韓国やアメリカ、ロシアなどの諜報員も含めてです。僕も一度、それらしき人と会った事があります。某国大使館の人間でした。
が、それとスリーパーセルといったテロリストとの話は別です。
「テロリスト」と「大阪はヤバい」と言い切った三浦瑠麗さんはヤバい。いや、「この発言はヤバい」という意識を持たなかったのがヤバいです。彼女の発言を要約すれば「大阪にいる北朝鮮のテロリストが今にも活動をする」ということになります。それは、大阪の在日社会に向けたものと見られても致し方ないでしょう。
もちろん、三浦さんにそういう意志がないという弁明はするはずで「ハフィントンポストジャパン」でこう述べました。
「大阪は1980年代に、北朝鮮の工作員による拉致事件が起きたことがあります。こうしたことから、東京だけが狙われていると安心しきってはいけない、むしろ大阪のような大都市こそが危ないということを伝えようとした発言でした。番組のMCの皆さんも大阪に縁のある人ですしね。
仮にこのレベルの発言が難しいのであれば、この国で安全保障について議論をするのは正直、不可能です。また、在日コリアンに対する差別や偏見を助長するというTwitterの反応についても、私は番組中、在日コリアンがテロリストだなんて言っていません。逆にそういう見方を思いついてしまう人こそ差別主義者だと思います。」
(「三浦瑠麗氏、ワイドナショーでの発言に批判殺到 三浦氏は「うがった見方と反論」(アップデート)」より)
確かに、「番組中、在日コリアンがテロリスト」とは言っていません。が、同サイトでは「大阪は1980年代に、北朝鮮の工作員による拉致事件が起きたことがあります」と発言。かの国は日本人拉致という罪深い「国家戦略」を取った国でもあります。何をするのか分からないと三浦さんは言いたかったのではないかとは思いますが、「このレベルで安全保障の話をするのは不可能」と開き直ったところに焦りが見られます。
この手の発言をするのなら、例えば前提に「過去には日本では関東大震災の時のような悲劇があったけれども」というようなエクスキューズが必要です。こういうデリケートなテーマを、番組の流れだからと言って、軽々と発言をしてしまった三浦さんの国際政治学者としての感覚が「ヤバい」なと思いました。
それにしても、この番組の出演者って炎上する人が多いですよね。
文◎久田将義