最も効果的なパチンコ業界の潰し方とは? 日本の賭博(ギャンブル)基礎知識編:2
中央が松本和彦氏
※この記事は、日刊ナックルズ勝手に編集会議(http://ch.nicovideo.jp/ndo)での松本和彦氏の発言を編集したものです。
【前回記事】パチンコ、雀荘、ポーカー、地下カジノ…日本の賭博(ギャンブル)基礎知識編:1
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―― 三店方式の本当の欠陥との事ですが、念のため三店方式の基本から説明していただけますか?
「まず、パチンコ屋は出玉やコイン枚数に応じて、客に賞品を出す。商品でも景品でもなく “賞品” な。これが大事なポイントなんだけれども、一般的なパチンコ屋は景品カウンターと言っちゃってるよな。でもレコード針だの金だのってのは、厳密に言えば賞品と呼ぶべきです」
―― おそらく賞品と景品の違いも説明した方がよいかと。
「賞品というのは、何らかの功績や成績に応じて、ご褒美として貰える物。景品というのは、おまけとして付いてくるってニュアンスだな。参加者が漏れなく貰える粗品とかさ。普段は気にしなくてもいいかもしれないけど、いざという時のために、面倒くさい法律が絡んでくる可能性がある場合は、正しい単語の使い方を知っておいた方がいいぞ」
―― いっぱい玉を出したからと貰った記念品(賞品)を、たまたま買い取ってくれる人がいたから売った、というのが三店方式の基本ですよね。
「そうです。たまたま店の近くに古物商、いわゆる質屋があって、そこがパチンコ屋さんで貰った賞品を買い取ってくれたという言い訳です。また、パチンコ屋はその古物商に賞品としてちょうどいい品物が置いてあったから買ったと。これで三店方式の仕組みが完成します」
―― その場合にやってはいけないのは、パチンコ店による賞品の自社買いですよね?
「パチンコ屋が客に渡した賞品を、自分で買い戻したらアウトです。実際にそれで摘発を受けた店が何軒もあるよ。ただし、パチンコ屋の建物の中に古物商(交換所) が入っていても問題ない。これは知らない人もいるようだけど、経営者が完全に別だという言い訳ができていれば、パチンコ屋の中に交換所があっても問題ないんだ。実はつい最近、店内に交換所を設置していた横浜のパチンコ屋が摘発されたんだけど、それは店内に交換所があったからヤラれたんじゃありません。売上が悪くて、賞品を問屋を通して仕入れるのが嫌で自社でやっちゃったんだ。それがバレて摘発を受けた。まあ当然というか、やり方があまりに雑だよな。いくら金が欲しくても三店の大前提は守らないと」
―― 昔は景品カウンターに交換所の地図がありましたけど、今はそれもないですよね。
「そうだね、今はスタッフに交換所の場所を聞いても教えてくれないと思う。せいぜい賞品を受け取ったお客さん達はみんなあちらの方に歩いて行きますよ~って程度だね。パチンコが日本に存在できる最大の言い訳が三店方式だから、風向きが悪くなった今となっては完全に別会社だ、無関係だ、と建前を徹底するしかないよ」
―― ではその三店方式の本当の欠陥とはなんでしょう? あまり指摘されることがないそうですが?
「まずは私の知識が間違いないことを証明するために、これを見せておきます」
(※松本、古物商の許可票と古物台帳を取り出す)
―― え、あなたAV監督でしょう? 古物商の免許を持ってるんですか?
「うん、自動車商なんだけれども、自動車だけを買い取るって訳じゃなくて、主に自動車を買い取るという意味です。これは自己申告なので、自分がメインで扱う古物の分類を名乗っておけばいいってだけ」
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(※補足 古物の分類)
1.美術品類 2.衣類 3.時計・宝飾品類 4.自動車 5.自動二輪車及び原動機付自転車 6.自転車類 7.写真機類 8.事務機器類 9.機械工具類 10.道具類 11.皮革・ゴム製品類 12.書籍 13.金券類
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「申請を出す際に、取り扱いたい分類にチェックしていくんだけど、そこでいっぱい○付けちゃえば何でも買い取れるんだよ。俺の場合は車を担保に取るケースが多かったから自動車商がいいなって思っただけ。富山の港に船が着くから、そこに売り飛ばしに行ってたんだ」
――さらっと余計なことを言うな! パチンコの話しましょう。
「最も重要なのはこの古物台帳なんだ。この台帳には記入と保管の義務があるんだけど、毎回必ず書かなきゃいけない訳じゃない。総額1万円を超える取り引きをした場合は、客に身分証を提示してもらって、この台帳に客の名前・連絡先・取り引きした品物などを書き込まないといけない。ただし、ゲームソフト等は万引きも多かった事もあり、金額に関係なく記入しないといけない。また、台帳はデジタルデータでもいいです。エクセルとかで自分で作ったっていい。ただ、絶対に総額一万円を超える取り引きは全て記録・保管しておかないといけない。これは古物商の “義務” です」
ーーあれ? なんかおかしな話になってきましたね?
「だろ? 皆さんはパチンコで勝って景品交換して貰う際に、一度でも身分証を出したことがありますか? って話だ。ある訳ないだろ、そんなの」
――でもそれが義務なんですよね? じゃあ1万円未満の景品を何度も買い取ったという言い訳になっているんじゃないですか?
「違います。認可を得る時に教わるんだけれども “総額で1万円” です。もし1万円未満の取り引きしかしていないと言いたいならば、9,000円ないしは9,500円分の景品を買い取ったら、また列の最後尾に並び直してくださいと言わなきゃならない。そんな事を言われた記憶あるかい?」
――もしその話が本当なら、というかパチンコ業界が何も言い訳を用意していなかったとしたら、だいぶ危険なやり方をしてますよね?
「そうだろ? みんな三店方式までは目が行くんだけど、そこで止まっちゃってるんだよ。三店方式で最もマズイのは、どう考えたってこの点なんだ。」
――確かに三店方式を連呼する知ったかぶりのネットウヨクは大勢いますけど、そこをつついている人間は殆ど見かけませんね。
「だからさ、在特会でも何とか会でも何でもいいんだけれども、パチンコを潰したいと思ってるヤツが一斉に交換所が取り引きを記録してないと証拠付きで騒ぎ立てて、それが警察・政治家も無視できないレベルにまで波及したらどうなりますか? ってのがオレの提案。オレが考える最も効果が見込めるパチンコ屋の潰し方」
――確かにその情報に穴がないならば、カジノ設置したがっている政治家とかを動かせば夢物語じゃないかも!
「穴はないと思うぞ。オレも本気で調べたんだから。それに、過去に1人だけ国会議員がこの問題について発言してるんだよ。でもその時は話題にもならなくて、パチンコ業界のお偉方が国会に呼ばれたりもしたんだけど沈静化しちゃった。だから、そうならないように情報をドカンドカン拡散して、あちこちで火の手を上げてみてはどうだいって話だよ」
――確かに大久保で意味の解らないデモをやるよりも面白そうですね。
「じゃあさ、この情報がいかにヤバげな話なのか、実例を出してさらに詳しく説明してやるよ」
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※ 次回はこの松本案を元に、実際にパチンコ業界で起きた事件について考察します。それを読めば、松本氏のアイデアが実は大当たりなんじゃないかと思えてくる……はず!
Written by 荒井禎雄
NDO(日本のダメなオトナたち)http://ch.nicovideo.jp/ndo
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ざわ…ざわ…ざわ…