【みなさん知ってました!?】視聴率は測定不能! 誰も知らない紅白歌合戦の裏番組【独立U局のセコい闘い】

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大晦日の視聴率戦線に参加できないテレビ局

大晦日のテレビの風物詩といえば、各局が繰り広げる視聴率競争です。
『NHK紅白歌合戦』を放送する絶対王者・NHKに、格闘技、バラエティ、歌番組等の大型特番で対抗する民放5局。”紅白超え”は現実的でないですが、毎年各局工夫を凝らした特番を放送します。

しかしそんな”紅白との戦い”とは全く無縁の地上波放送局が全国に13局あります。民放5局のネットワークに属さない独立U局(以下U局)です。

視聴率が低すぎて相手にならない、という話ではなく、そもそもU局は視聴率すら公にされていません。視聴率の調査・集計の際に、U局は、”その他の局”、に分類されており、BS/CS/ケーブル/放送大学とひとまとめにされているのです。
視聴率を調べてもらえていない可哀そうなU局達のためにも、大晦日に”頑張っているU局ベスト3”、”頑張っていないU局ワースト3”、を勝手に決めたいと思います。

3位 KBS京都

許永中に潰されそうになったことでお馴染み、KBS京都が第3位です。
「荒俣宏をゲストに明治時代の京都を掘り下げるという硬派な特番で年越しする」、ここだけを評価しての3位です。
そもそも年越し特番を制作・放送する局自体、13局中5局のみしかないので、ちょっと変わった特番をやるだけでも目立つのです。

2位 TOKYO MX

5時に夢中!等の過激な情報番組でお馴染み、TOKYO MXが第2位です。
19時から24時直前までアニメコンテンツの特番を2本連続放送、そしてその後自社制作番組の出演者を集めた特番で年越しです。
MXらしい大晦日編成で素晴らしいのですが、残念なのは大晦日にもガッツリ通販をしているところ。
通販番組もMXらしいといえばらしいんですが、U局最大手の余裕を見せてほしかったです。

1位 テレビ埼玉

埼玉政財界人チャリティ歌謡祭でお馴染み、テレビ埼玉が堂々の1位です。テレ玉の大晦日といえば『ももクロの年越しライブ』の中継、これに尽きます。
オタクコンテンツとはいえ、他U局と比べても注目度No.1の年越し特番です。
U局が制作する大晦日特番で唯一の地上波4局ネット(サンテレビ、テレビ和歌山、とちびテレビ、チバテレビ)というのも納得です。
そもそもテレ玉は、吉本やスターダスト等、大手事務所を利用しながら自社コンテンツを育てるのがウマいU局。
低予算のU局なりに工夫を凝らした結果が大晦日のももクロ年越しライブ中継なのでしょうね。

いかがでしょうか、皆さん。
とはいえ大体ヒドい特番ばかりのU局なんて褒めても仕方がありません。
前置きはこのくらいにして、”頑張っていないU局ワースト3”の発表です。

3位 岐阜放送・びわ湖放送・奈良テレビ・テレビ和歌山

同率ワースト3位は、岐阜放送・びわ湖放送・奈良テレビ・テレビ和歌山の4局。
この4局の大晦日編成、ほとんどテレビ東京と同じなんです。
岐阜、びわ湖、奈良の3局に至っては、夕方から夜中遅くまでの約半日間、ほとんどテレ東と同じ放送内容、全くU局っぽい番組がありません。
唯一テレビ和歌山はテレ玉制作のももクロ年越しライブを編成していますが、結局他局のコンテンツ、一切自局で特番を作る気がありません。

そもそもこの4局、大晦日に限らず普段からテレ東制作の番組ばかり放送しています。自社で低予算の番組を作るよりテレ東から番組を購入する方が、ローコストで面白い番組を放送できるからです。

ちなみに三重テレビも普段からテレ東制作の番組ばかり放送してますが、頑張って年越し特番を制作しているのでワーストランキングからは外しました。
ワースト3位は”他局のふんどしでしか勝負しない局”、この4局に決定です。

2位 チバテレビ

ワースト2位は、ジャガーさんでお馴染みのチバテレビ。
チバテレビの大晦日の編成ですが、コンセプトが全く統一されてなくてバラバラです。
まずは17時から日本ドラマ「恋のチカラ」の5話と6話を再放送、そしてその直後には韓国ドラマ「誘惑」の7話8話9話を連続で放送。
このままドラマでいくのかな、と思いきや、急に22時から地元プロスポーツ選手同士の対談番組が始まり、22時半からはゴルフ番組。
TBSの「逃げ恥」のように「恋のチカラ」一挙放送でも良かったんじゃないか、とか思っているうちにゴルフ番組も終了し、23時からはまさかの通販番組放送です。
最後に23時半からももクロ年越しライブを放送し、そのまま年越しです。

何故ドラマの一挙放送を何日かに分けてしまったのか、途中に入った明らかに浮いている30分のスポーツ選手の対談番組は作る必要があったのか、色々ツッコミたくなる不思議な大晦日編成です。ただこんな混沌とした大晦日編成も、チバテレビっぽいんですよね。
TVKなら音楽、テレビ埼玉ならよしもととももクロ、そういう看板がチバテレビにはないので、いまいち一言で表せられないテレビ局なのです。
ワースト2位は”どこを目指しているのか誰にもわからない局”、チバテレビに決定です。

1位 とちぎテレビ

ワースト1位は全国で最も新しいテレビ局、とちぎテレビです。とちぎテレビも混沌さではチバテレビに負けません。

まず20時10分から21時まで、5分のミニ番組「とちぎの伝統文化」を10連続で再放送です。
この番組、Youtubeに全て内容があげられていますし、大晦日に10連続再放送する必要があるのでしょうか。
怒涛の10連続再放送を終え、21時からは何故か急にジョージ・マイケル追悼特集です。
何故このタイミングでとちぎテレビがジョージマイケルを追悼するのか、全く意味がわかりません。
その後、MXでも放送されるアニメ関連特番を22時から2時間弱放送し、23時59分からのももクロの年越しライブでそのまま年越しです。
普段から迷走っぷりが目立つとちぎテレビ、やはり大晦日も相変わらずです。

番組と番組の隙間にやたらと音楽番組を入れてアイドルのMVを流しまくったり、社内の「カップリングパーティー運営事務局」という事務局がやたらと婚活パーティーを主催していたり、自社で放送しているアニメをPRする「まろに☆えーる」というアニメキャラアイドルにやたらと力を入れていたり、他局がしないことをやる姿勢はいいのですが、全く統一感がありません。

ちなみに同じく混沌とした編成のチバテレビを抑えて1位に選んだのは、年越し1分前にももクロの年越しライブを放送開始するというセコさ、ここが要因です。
というわけでワースト1位は、”どこを目指しているかわからないしセコい局”、とちぎテレビに決定です。

というわけで”頑張っていないU局ワースト3”、以上です。

他にも、売上・規模ともにU局の中では最大級のクセにひとつも自社特番を放送しないサンテレビ、2017年のももクロを振り返る特番を放送するクセに24時から映画「半次郎」を放送する群馬テレビ、1953年に制作された「君の名は」という名前がややこしい実写映画で話題になろうと企むセコいテレビ神奈川、等々各U局なかなかにヒドい編成です。

大晦日、お正月をご自宅でゆっくり過ごされる皆さん、暇なときは一度U局にチャンネルを合わせてみてください。

ちなみにお正月は、知事や市長が2018年を語る番組、古い映画、時代劇、そして通販ばかりやっているかと思います。

文◎ジャミロ熊井