ザ・ヤラセ! 関係者が語る『24時間テレビ』のねつ造企画 妄想ドキュメンタリーはこうして作られた――!

番組に協力した地元の名士

我々取材班は、このヤラセのドキュメンタリー番組制作において、“地元の名士”による協力があったことを掴んだ。確かに、異国でヤラセをやるのだから、力のある人間にまずお願いするのが筋である。テレビ局側が考えている道筋はある意味で正しかった。

その名士は地元でも有名な人物で、この「N」町の人々から慕われていることが聞き込みでもよく分かった。彼は番組がやってきた当時は「副町長」だったそうで、現在は老人施設でボランティアなどの活動を行っているそうだ。これだけの名士となると会うのは簡単ではないかもしれない思い、いったん宿のあるチェンマイへ引き上げ、翌日また改めて元副町長にだけ標準を合わせて再訪することにした。

翌日、元副町長が毎日通っているという施設を割り出し、そこで待ち続けることにした。観光客など皆無である町の施設で佇んでいると、どうやらすぐに「おかしな日本人らがたむろしている」という情報が駆け巡ったようで、誰かが元副町長を呼んでくれるというミラクルが起きた。

「ああ、来た来た、あれが先生だよ」と私たちの話を聞いてくれた女性が言う。彼は町の人々から最高級の敬意を払われ「先生」と呼ばれているそうだ。その先生は今、道路の向こう側で車をやり過ごしてこちらに渡って来ようとしている。色黒で白髪交じりの短髪、黒いサングラスをかけ、第二ボタンまで開いた紺色のシャツからはシルバーのアクセサリーが覗いている。さすが名士である。とかくTシャツ短パンのイメージが強い暑いタイだが、きちっとした身なりをしていた。

「サワディーカップ。やあ、君たち、昨日もいたね」

彼は、まず軽いジャブを我々に食らわせてきた―――。(文◎TABLO編集部)

参考記事:【詳細なつづきはこちらで】地元の名士が語る日テレスタッフの現地での不可解な行動 チャリティー番組に騙されるな!