「相撲の語源はヘブライ語」発言で見えてくる元貴乃花親方の危険性 日本書紀に書かれている史実とは
共通点が多いということは、相関関係が強いとまでは言えても因果関係を語ることはできません。
また、そもそも日本人は世界中の他民族からの影響を固めてできたようなものです。
人類の起源はおよそ10万年前の東アフリカ。狩猟採集で暮らしていた人類は、食べ物の獲得競争に負けたグループが、別の場所に移動しながら食いつないでいました。
東アフリカから西アジア、中央アジアを経て負けたグループの一つは、数千年~数万年かけて東へ東へと移動していきました。そしてたどり着いたのが東の果てにある、現在の日本がある土地。
途方もなく長い期間をかけて、負け続けて移動してきたため、他者からの影響をたっぷり蓄えてこの場所にたどり着いたのです。
そのため、ヘブライ語だけではなく世界各地に日本とそっくりな言葉や風習がいくらでも残っています。
事実、相撲に酷似した競技も、パンクラチオン(古代ギリシャ)、ブフ(モンゴル)、ヤールギュレシ(トルコ)、シュアイジャオ(中国)など、各地に見られます。
これほど世界中から影響を受けている相撲であるにもかかわらず、ヘブライ語に起源があると断言してしまうのは、「一理しかないものを十理あるように語る」という、とても危険な行為であり、私たちが元貴乃花親方に感じている違和感もここにあるのではないかと思います。