「男女の双子は結婚させなければならない!」アジアの奥地で今もなお信仰されている悪魔祓い!?
この騒動を伝える新聞『Khao Sod』
タイ東北部ナコンパノム県で5歳の双子が結婚式を挙げ話題になっているとタイの新聞『Khao Sod』が報じています。
ฮือฮา! จัดวิวาห์หนูน้อยแฝดชาย-หญิงวัย5ขวบ พ่อแม่เล่าเรื่องขนลุกซู่! เชื่อปู่-ย่ากลับชาติมาเกิด
この双子は、男の子のパットーンくんと女の子のピームちゃん。実の双子です。結婚式は招待状200通を送付した上で12月2日、タイの伝統にのっとり正式なかたちで執り行われました。
なぜ双子が結婚!?
この疑問に答えるには双子が産まれる前に遡らなければなりません。実はこの家族の身に不思議なことが起こっていたのです。
出るわ出るわ、こじつけとも言える怪現象
双子の母親が語るところによると、双子が生まれる2か月前に他界した自分の父親が生前「そのうちまた会おう」と言っていたとのこと。その時母親はとくに気に留めていませんでした。
それが双子が3歳になったある日、親子で車に乗って警察署の前を通りかかった時のこと、双子の男の子パットーンくんが「職場はここだよ」と言い出したのです。
車を敷地に入れると、一棟のビルを指差して「ここで働いていたんだ」と言うのでビックリ仰天して鳥肌が立ったそうです。なんとそこは生前、警察官だった父親の職場だったからです。
さらにはパットーンくんの仕草がことごとく自分の父親にそっくりで、親戚皆で「父親の生まれ変わりに違いない」という話になったのでした。
不思議な話はパットーンくんだけでは終わりません。双子の父親は彼らが生まれる前、9年前に他界した自分の母親が娘に生まれ変わる夢を見たと話しています。生まれた双子の女の子ピームちゃんは歩く姿が母親にそっくりだとのこと。
輪廻転生の考えが強く信じられているタイ
タイ東北部では昔から、男女の双子が生まれると病気を患うか早死にすると信じられていて、双子に結婚式を挙げさせると元気で長生きすると言い伝えられてきました。母親も、お年寄りから「男女の双子が生まれたら悪運払いのために2人の結婚式をしなさい」と言われてきたと語っています。
しかし言い伝えのとおり実際に結婚式まで挙げるのは珍しいケースです。
国民の多くが仏教を篤く信仰するタイでは、輪廻転生の考えが強く信じられています。さらに両親をとても敬愛し大事にする国民性を有しています。男女双子の悪運払いの言い伝えに、他界した今もなお自分の親を大事に思う心が相まって、双子の両親は結婚式を挙げさせる決心をしたのだと考えられます。
双子から見れば母方の祖父の生まれ変わりと父方の祖母の生まれ変わりの結婚式という、家族関係ぐちゃぐちゃなムリヤリ感がなきにしもあらずですが、みんなが幸せになれて親孝行もできるなら、この際細かいことは気にしないということなのかもしれません。
そんなところまでいかにもタイらしい、ユルくも不思議な出来事でした。
文◎赤熊賢