渡辺喜美8億円釈明は田代まさし「ミニにタコ」レベルの見苦しさ by草下シンヤ
追い詰められた人間の言い訳は見苦しい~草下シンヤのちょっと裏ネタ
みんなの党の渡辺代表が、化粧品会社ディーエイチシーの会長から8億円を借りた問題が大きな話題になっているが、記者の質問に対する、8億円の借り入れの一部で熊手を買ったという回答には首を傾げた人も多いだろう。
想定できる質問だっただけにもう少しまともな言い訳を用意できなかったものかと思うのだが、人は追い込まれると突拍子もない回答しかできない傾向があるようだ。わたしは渡辺代表の姿を見ながら、盗撮で逮捕されたときに田代まさし氏が口にした「ミニにタコという映像作品を撮っていた」という言い訳を思い出してしまった。
以前、刑事に取材をした際に、過去に検挙した犯罪者の言い訳を教えてもらったことがある。追い詰められた人間がなにを言うのか、とても興味深かったので、それを紹介したい。
下着泥棒を逮捕すると、犯人は盗んだ下着の一部を着用していた。そのことを突っ込まれるとこう答えたという。
「パンツを履き忘れて困っていたときにちょうどよさそうなものを見つけた」
履いていたのは、レースのTバック。いい年をしたおっさんがなにを言うと溜息をついたという。家宅捜索で覚せい剤入りのパケが出てきた時、容疑者はその出どころを聞かれてこう答えた。
「母親が片づけの際に置いていったもので、自分には関係がない」
家族に罪をなすりつけようとするのも問題だが、もう少しバレにくい嘘をつくべきだろう。もちろん母親は否定し、容疑者は逮捕された。
振り込め詐欺に使用するための銀行口座を作りにきていた容疑者のもとに向かった刑事。窓口で待たされている容疑者に近付き、名前を確認。「銀行になにをしにきたんだ?」と尋ねると、パニックのあまりしどろもどろになった容疑者はこう答えた。
「あ、いや、間違いです! 買い物にきました。だけど、なぜかここにいて不思議ですね。銀行になにを買いにきたんでしょうね」
知らんがなと思いながら任意同行を求め、その後逮捕に至った。このように苦しい言い訳をする容疑者の相手をするのも疲れるようだが、なかには開き直る者もいる。特に振り込め詐欺の幹部クラスの容疑者は自分勝手な理屈で犯罪を正当化しようとすることがあるという。
「日本経済は今、老人が金を使わず、金が市場に回っていないことが不況の原因になっている。俺たちはその金を手に入れて、ブランド物を買ったり、夜の街で遊んだりして、金を市場に回している。俺たちはいわば日本経済を救済しているんだよ」
かなりねじれた理論だが、同じような話はわたしも詐欺グループの人間から聞いたことがある。こうして正当化することで老人から金をむしり取ることの罪悪感を軽減しているのだろう。
ただ、こんな供述をした容疑者には10年以上の懲役刑が科されるようだから、彼が救済しているはずの日本経済にカムバックできる日はずいぶんと先になりそうだ。
追い詰められた人間の言い訳は見苦しい。
問題が表面化したり、逮捕されたりしたときに慌てて言い繕うよりも、表に出てしまった以上、洗いざらいを話してしまったほうが楽になると思うのだが、渡辺代表いかがなものでしょうか。
Written by 草下シンヤ
Photo by 審判
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血迷い言。