歌舞伎町で今「幽霊が出る!」と話題 コロナで滅多打ちにされた街で風俗嬢たちが感じている「恐怖」とは
そもそもの話として、歌舞伎町には「怪談」の元となるような出来事が多いのは事実だ。前述の風俗嬢はこの幽霊ビルのほかにも、4年前に火災でひとりの女性が亡くなった某ラブホ跡(現在は廃業)も、“心霊スポット”としてあげていた。そしてその亡くなった女性は高齢ではあるが、彼女たちの同業者というのが定説だ。
驚くのは、古い事件まで彼女たちの間では共有されていて、語り継がれていることである。1981年、歌舞伎町二丁目の3軒のラブホで起きた連続女性絞殺事件がそれだ。これは当時、相当、センセーショナルに取り上げられたが、結果的に今現在も犯人逮捕には至っておらず、いわゆる未解決事件となっている。
これらの事件に共通しているのは、女性が単独でホテルで死亡していることだ。つまり、いまや主流である店舗型風俗に従事する女性たちにとって、過ぎた出来事や他人事ではない、強烈な当事者性がある。それが、冒頭にあげたような、幽霊騒ぎ=漠然とした不安に繋がっているのではないだろうか。