競馬界に伝説のミラクルおじさん再び!? プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.67
今回は「都市伝説」の話をしたいと思う。あの伝説のおじさんが帰ってきた?という夢のある話だ。先日の日曜26日、京都競馬場で「菊花賞」が行われたが、前日からスポーツ紙等でちょっと話題になっていたことがあった。いわゆる大口投票があったのだ。
金曜日の前売でトーホウジャッカルという馬の単勝馬券(1着になれば当たり)を、なんと200万円も買った人がいたのだ。その影響で金曜の時点でトーホウジャッカルのオッズは「1・4倍」の断然人気となった。
主役ならともかく、トーホウジャッカルはあくまで伏兵の一頭と見られていただけに話題となったのである。言ってみれば、かつてのテレビ番組「クイズダービー」で、「はらたいらさんに全部」なら話はわかるが「篠沢教授に全部!」と賭ける奴がいたら本気なのか? と驚いてしまう気持ちと同じ。
今回の大口投票では、あの「ミラクルおじさん」を思い出した人もいるはずだ。11年前に世間を騒がせた伝説のおじさん。ミラクルおじさんは2003年の宝塚記念に、前日発売で「ヒシミラクル」の単勝を1200万円を購入し(!)、約2億円を手にしたのだ。
定説では「前日発売の日、ウインズ新橋に一人の中年男性があらわれ、安田記念の的中単勝馬券(130万円×9.4倍)と引き換えにヒシミラクルの単勝を1222万円分購入した。」となっている。この宝塚記念でのヒシミラクルは「6番人気、オッズは16.3倍」という伏兵だった。これが的中したので「16.3×1200万」で払戻金は2億円近くとなり、一躍「ミラクルおじさん」、「2億円おじさん」と呼ばれたのだった。
当時私はミラクルおじさんの正体を「2人のおじさん」に絞って主張していた。まずは「徳光和夫」説。徳光さんは1997年にウインズ新橋で馬券を買い、800万を大穴的中して話題となった過去があった。ミラクルおじさんもウインズ新橋で馬券を買っているし、徳光さんは大穴を狙いにいく予想で有名だ。「犯人像」がぴったり。
推理2人目は「笑福亭鶴瓶」説だ。というのはヒシミラクルの単勝に1200万円ぶち込まれた2003年6月28日夜に「FNS27時間テレビ」が放送された。フジテレビのお祭り番組である。ここで鶴瓶師匠はあの伝説のポロリ事件を起こしたのである。鶴瓶師匠は番組でミラクルを起こすことを決意し、まずヒシミラクルにぶち込んだという説。
いずれにしろ、そのあとミラクルおじさんに関する情報はプツリと途絶え、都市伝説化した。
あれから11年。今回の「菊花賞、伏兵トーホウジャッカルに200万投入」である。まさかとは思いながら、私は当日レースをテレビで見た。最終的にトーホウジャッカルは3番人気で単勝オッズは「6・9倍」となっていた。
そしたら……なんと、トーホウジャッカルは圧勝したのである。エーー! おまけにレコード勝ち。たまげた。「6・9×200万=払い戻し1380万」である。
あらためて調べてみると、今回の200万円購入は「金曜日の午後4時25分ごろ」と報じられている。つまり菊花賞の前売りが開始されるやいなや購入したのだ。つい、お金持ちの道楽と考えてしまいがちだが、どこかニュアンスがちがうのは「勝負気配」「確信犯」的なニオイがプンプンするのだ。
もしかしたら11年前のミラクルおじさんがまたあらわれたのか!? 当時稼いだ2億円を11年間でゴージャスに使い、また稼ぎにやってきたのか?
というか、こんなことをいま騒ぐのでなく「トーホウおじさん」にノッて馬券を買いに行っておけばよかったです。
【前回記事】
金正恩氏復帰に乃木坂46路チュー騒動の既視感|プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.66
Written by プチ鹿島
Photo by 陰謀馬券の秘密
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
まさか同一人物?