AKB48卒業ライブで不思議な存在感を示した川栄李奈|久田将義コラム

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 8月2日、さいたまスーパーアリーナでAKB48の川栄李奈の卒業ライブが行われた。今までこれほど大規模な卒業ライブが開催されたのは二回しかない。ツートップと言われた前田敦子と大島優子の二人だ。川栄は前々回の選抜で16位に入ったものの、前田・大島のように一位を取った訳でもない。しかし今回のライブはさいたまスーパーアリーナという大箱だ。

 過去にAKBグループを卒業したメンバーは多々いる。秋葉原のAKB劇場が本当のラストライブにするのが慣例だが、さいたまスーパーアリーナで単独で卒業ライブは「16位の川栄」という位置を考えるとレアケースであると言えよう。しかし、ファンや関係者はさほど意外だとは思っていなかったようだ。

 それは言わずもがな、彼女が2014年5月25日、岩手県滝沢市・岩手産業センターで起きた「AKB襲撃事件」の被害者だった事もある。被害者は川栄李奈と入山杏奈とアルバイトの整理係りの青年。握手会の最中に、突然のこぎりで斬りつけられたのだ。川栄はそれ以来、握手会に出る事はなくなった。当然と言える。男の僕でも、のこぎりでいきなり斬りつけられたらトラウマになるだろう。まして当時18歳の女の子がそういう目に遭ったら、なおさらだ。か弱い女性を狙った卑劣な犯罪である。

 握手会はAKBグループの根幹をなすイベントである。AKBの元来のコンセプトが「会いに行けるアイドル」。握手会こそ、AKBグループの「命」である。しかし、そこに出席する事が出来なくなってしまった……。ならば卒業という選択肢を採ったのはおかしい事ではない。むしろ当然と言える。川栄は女優業を目指すと言うが、こういった事件を乗り越えて女優への道を進んで欲しいものである。

 川栄の女優業は僕は、実は結構期待している。川栄の演技が「面白いな」と感じたのは「AKB48 SHOW」という番組のコントを見た時だ。川栄は渡辺麻友と一緒に怪しい新興宗教の勧誘役だった。これが、「はねるのトびら」のロバート秋山が演じる新興宗教の勧誘を彷彿させた。ロバート秋山はコントも定評があるが、その演技力を買われてかドラマにも出演している。従って川栄は秋山のようなコントも出来るのではないかと思った。女優業に進みたいというのは、AKBを卒業したメンバーがたいてい言う事だが、前田・大島以外あまりぱっとしないのが現状である。その中で川栄は演技の素質があるのではと感じた。AKBの中では決してセンターを張る訳ではないが、不思議な存在感がある。

 テレビドラマ・映画等を狙うのではなく劇場等で鍛えると面白い存在になるのではと思っていたところ、既に「AZUMI」(小山ゆう原作)の主演が決まっているのだという。選択肢としては間違っていないと思う。16位の彼女がなぜ、単独卒業ライブを開催出来たのかは、16位とかの数字ではなく、彼女が持つ独特の雰囲気がそうさせたような気がする。

 最後に彼女の「おバカキャラ」についても言及しておくが、彼女の特徴的な笑顔を見ていると決して「おバカ」ではなく、周りに気を遣っての「笑顔」だと思う。という事は、「おバカ」ではなく周囲の雰囲気を察する事が出来るクレバーな女性なのだろう。(文中敬称略)

Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)

(壁掛)AKB48 川栄李奈 カレンダー 2015年

トラウマになる事件。

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