礒崎陽輔首相補佐官の「参院なんて関係ない」姿勢|プチ鹿島の『余計な下世話!』
最近よく聞く名前といえば礒崎陽輔氏。首相補佐官である。「法的安定性なんて関係ない」発言で大ヒンシュクを買いましたが、それとは別の話題もある。
・参院特別委:鴻池委員長、参考人の礒崎氏を「説教」(毎日新聞 08月03日 )
《 「9月中旬にこの法律案を上げたいという発言はいかがかと思う。参院は衆院の下部組織ではない。官邸の下請けではない」。参院平和安全法制特別委員会で3日、鴻池祥肇委員長(自民)が参考人として出席した礒崎陽輔首相補佐官(同)に「説教」する一幕があった。》
ここで礒崎氏が鴻池祥肇委員長に叱られているのは安全保障関連法案の審議を「9月中旬までに終わらせたい」と発言したことだ。《礒崎氏の発言は「参院軽視」とも映り、鴻池氏の逆鱗(げきりん)に触れた形。》と記事は伝える。鴻池氏は礒崎氏にこう述べたという。
「先の大戦で、貴族院が(軍部を)止められず戦争に至った道を十分反省をしながら、参院の存在を作り上げた。衆院の拙速を戒め、合意形成に近づけるのが役割だ」
鴻池氏といえば自身も過去に「言動」がよく話題になった。そんな人からみても信じられない発言をやすやすと飛ばしてしまうキャラということになる。実際「法的安定性」発言も含めてかなり持ちネタは豊富だ。ここで私が思い出す記事がある。衆院特別委での安保関連法案が採決されたときの記事だ。
・安保法案「成立すれば国民は忘れる」 強行採決の背景は(朝日新聞・7月16日)
途中、こんな一文がある。
《首相に近い参院議員の一人は「消費税や年金と違い、国民生活にすぐに直接の影響がない。法案が成立すれば国民は忘れる」と言い切る。》
国民なんてその程度のモノ、というかなり大胆な発言だ。朝日新聞の書き方に注目してほしい。「言い切る」と書いている。この発言を聞いてとても憤慨している様子が行間から伝わってくる。
さてここで気になるのは発言の主だ。「首相に近い参院議員」て誰だろうか。何名か該当する人がいるけれど、とりあえず話題の礒崎氏のプロフィールも見てみよう。
《参議院議員(大分県選出)。国家安全保障担当内閣総理大臣補佐官。》(ツイッター・プロフィールより)
補佐官だから当然首相に近い。そして参議院議員でもあった。あれ、もしかしてもしかするのだろうか? 朝日に聞いてみたいところだ。ここまで書いて気づいたのですが、「参院軽視」と怒られた礒崎自身も参議院議員だった。もし、この発言が礒崎氏だったなら、自分の存在を軽視していたことになる。大丈夫か。
Written by プチ鹿島
Photo by 礒崎陽輔公式サイトより引用
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
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