宮崎謙介議員の”ゲス不倫辞職”に見る床屋談義の重要性|プチ鹿島の余計な下世話!

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国会議員として初めて育児休暇の取得を宣言して話題になった宮崎謙介衆院議員。そんな彼が、こともあろうに妻(金子恵美衆院議員)が出産で留守中の自宅に女性を連れ込んでいたことが発覚。それだけでなく他にも浮気相手がいたらしい。宮崎議員は「奥さんと子どものために」というイメージがあまりにもでかすぎた。かっこよすぎた。その反動はでかかった。

■「育休」も彼にとっては口説き文句か

議員辞職を表明したけど、かわいそうなのは「育休」である。「育休よ、どうしてこんな男につかまった」とつい言いたくなってしまう。でももしかしたらこんな男だからこそ利用されたのだ、とも思い直す。

たぶん宮崎氏は今までも甘い言葉を耳元でささやき、その気になった相手の前でパンツを脱ぎ、そして出世もしてきたのだろう。それは「育休」という言葉を国民にささやき、多くの人をうっとりさせることに成功した今回のやり口そのままではないだろうか。なんて新しい政治家なんだろう、彼は私たちと一緒に戦ってくれる!そんな夢を抱かせることにまんまと成功したのだ。

彼にとって育休は単なるいつもの口説き言葉だった。相手が女性から有権者に代わっただけ。かわいそうなのはそんな男に利用された「育休論議」と、彼のささやきに希望を託してしまった人々(もう被害者と呼んでもよい)である。

今後、彼のような人に引っかからないためにはどうすればよいのか。

よく「政局よりも政策」と言う。当然のことだ。でも私はあえて「政局」も大事だと言ってみたい。ここでいう政局とは広い意味で人間中心の見方のことだ。たとえば、同じような政策を言っていてもその人の話し方ひとつ、表情一つで伝わってくるものが違ったりする。

それでいうと、宮崎氏の謝罪会見の拙い話し方をみて「この人、何で国会議員になれたんだろう」と不思議で仕方なかった。あまりにも「育休」というお題に引っ張られ過ぎて「人」を見るのをストップしていたことに気づいた。

昔から日本には「床屋政談」という言葉がある。政治家の振る舞いや言動をみて品評会で盛り上がる。近所の大人たちは政策のプロフェッショナルでなかったけど、人について何かを判断したり見抜く力は備わっていた。「なんかこいつ、胡散臭いな」。庶民の下世話な嗅覚は馬鹿にできなかった。

床屋政談をもっと心に課したいと思うこの頃である。

Written by プチ鹿島

Photo by 自民党ポスターより

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プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」

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