前川前次官の出会い系バー通いはどこがそんなに悪いのかを考えてみた

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 さて、歌舞伎町の出会い系バーです。まず歌舞伎町には人が聞けば、眉をひそめる店がたくさんあります。「キャバクラ」はもう市民権を得たので除外。ここでは「おっパブ」から始まって「ヘルス」「ソープ」までを指しておきます。が、どんなに猥雑な店でも風営法の許可が取れていれば営業をしていても問題はありません。歌舞伎町はそういう街です。いや、全国の繁華街は元来そういうものです。健全一色の繁華街など気持ち悪いです。

 前川喜平前事務次官が認めた「出会い系バー通い」。僕はこの手の風俗(とあえて言う)には全く興味がないので、客の気持ちはわからないし、取材でもない限りそういう店には行きません(秋葉原のメイド喫茶を数年前取材したときは、苦痛でした)。

 が、そういう嗜好がある人を僕は否定しません。勿論、法律に触れない限りでは、という前提のもとで、です。前川元事務次官は「貧困女子の調査のため」と言っていますが、開き直って「興味があったから」でも僕個人的にはOKです。世間的には「ノー」かも知れませんが。

「女の子を連れ出した」とも「食事をおごった」とも報道されています。……どこら辺が問題なのでしょうかね。もちろん、これが未成年だったら大問題です。店側も摘発されます。で、なければ風営法の範囲内です。

 ちなみに青山繁晴参議院議員が「出会い系バーは暴力団が経営している」(大意)発言をしました。つまり前川元事務次官は暴力団に資金提供しているということを言いたいらしいです。

 かなりいい加減な発言です。今どき暴力団直営の店ってあります? 昭和の歌舞伎町じゃないんだから。ボッタくりの店では、たまに「暴力団構成員がいるのかな」というケースが見受けられますがこのご時世、暴力団もそんな迂闊なことはしないでしょう。

 話は戻ります。前川前事務次官が連れ出したとしていて、合意の元なら、また、自腹を切っているなら良いでしょう。カッコ悪いかも知れませんけれどね。

 では、ヘルスの常連なら良かったのでしょうか。ソープの常連ならダメだったのでしょうか。キャバクラの常連なら良かったのでしょうか。聖人君子などいないのです。官僚も政治家も。そしてそれを報じるマスコミも。

 風俗にはまっていても良いじゃないですか。愛人がいても良いじゃないですか。三木武吉や田中角栄の例を見るまでもないですがきっちり、国民のために仕事をしていれば。

 出会い系バーよりもまず解明すべきは、前川前事務次官が「本物」と言った内部文書の真偽です。出会い系バー論争(バカバカしいですが)はそれが終わってからでよいでしょう。とは言え、追及する野党第一党民進党も代表の蓮舫氏が二重国籍問題も含め、どうも、トップが自ら足を引っ張っている気がしてなりません。

Written by 久田将義(TABLO編集長)

Photo by damonjah

歌舞伎町

貧困が詰まった町?

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