謎のネオアウトロー「ISS」とは何だったのか やりたい放題の無法集団の真相 

「警察は電話で言った同じ事を言っていました。大声は出していいなかったですが、当時編集部は中堅出版社にしてはまあまあ大きく、中央に応接セットがあって、各編集部の人達は皆聞こえていたのではないですかね」

「警部は話を変えてきまして、『編集長、あなた、こいつらが何をやったか知っています?』と聞くんです。目が鋭かったですね。僕が知らないと言うと『ちょうど去年の今ごろ、広島県警の所轄(広島西署か広島東署)に撃ちこんだんですよ!』と語気が荒くなりました。
僕も国家権力である警察署に撃ちこむのか勉強不足ながら近代ヤクザ史上においては、聞いた事がありませんでした。正直、『ヤバい事をするな』とは思いました。僕らが知らなかった事とは言え。というか、広島県警が血相を変えて東京にまで来た理由が分かりました。恐らく『ISS壊滅作戦』といったものが展開されてたのではないでしょうか。僕は国家権力が怒らせたら一番怖いと思っているたちですし、怒るのももっともだと感じました。メンツも丸つぶれですし」

「警部は『ちょうど、一年。アニバーサリーなんですよ』という表現を使っていたと思います。それは怒るよな、と理解した上で『申し訳ないですが、僕らは取材対象者に取材し、それを読者に届けると言った出版の生業を実行したに過ぎないんですよ』と応じました。また取材した当時は、『アジアの子供たちにボランティアをしている』と言った事も言っていましたし」

「その後、『ISS』は聞いた話だと抜けようとしたメンバーに、熱した中華鍋を押し付けリンチをしたり、『海がいいんか、山がいいんか』と脅したらしく、メンバーが被害届を出してそこから芋づる式に逮捕されたんだと記憶しています」

「さらに、『ISS』のメンバーは神戸リンリンハウスというテレクラに火をつけ放火殺人までしていたんです。それは後から知ったのですけれど。それで解散状態になったのではないかな。実行犯と首魁の坂本さんは無期懲役の判決を受けました。数年後、神戸拘置所に面会に行ったのですが、そのときは快活でした。鋭い目も柔らかくなって笑顔でした。それから刑務所に服役した訳です」

「掲載後、いくつかに組織から抗議を受けました。一つの組織は僕の知り合いだっちので、口頭注意で済みましたが、もう一つの抗議は幹部が数人来て、静かながらも凄みのある口調でした。内容はもう済んだ事と、また同じ事が繰り返されてしまうので伏せておきます」

「今から思うと『ISS』は半グレではなかったと思います。今で言う、半グレ・準暴力団というは暴走族OB、ギャングOBがヤクザにならずにバックをつけているという形態でした。が、『ISS』はヤクザをしていたけどいったん離脱した人間たちの集まりだったと思います。警察に撃ちこむなど、普通では出来ない事をやる、といった汚れ仕事に手を染めていた集団だったのかと僕の中では整理しています。もちろん、違うという意見や異論もあるとは思いますが」

ネオアウトロー集団『ISS』(インターナショナル・シークレット・サービス)を取材したら広島県警が編集部に怒鳴り込んで来た|ニュースサイトTABLO

無法集団『ISS』が暗躍していた時代。ただその頃は東京都内では「本当の半グレ・関東連合」が勢力を伸ばしていた頃と同時期だったと思います。(文@編集部)