菅義偉首相は言葉を持たない政治家だった 「広島・原爆死没者慰霊式・平和祈念式読み飛ばし事件」は深刻

これは権力の掌握や維持のためにだけ政治家として生きてきたことになり、理想や哲学が無いことも意味する。
「つまり空っぽ。もし③の理由なら、戦後の政治家のなかでも恐るべき存在ではないか」と。
そうなるとコロナが感染爆発しても依然として発信力が無く、記者とのやりとりで意思疎通できなくても平気な理由も見えてくる。
青木さんの言葉を聞きながら「公式の言葉を持たない人が、いかに裏の見えない部分での”言動”で成り上がってきたか」ということも考えるとその”非公式性”について愕然としました。

さらに久田編集長の言葉も重たかった。
「官房長官のときの会見を”鉄壁のガースー”などと呼んだのが悪かった。これはメディアで持ち上げていた責任もある」
そう、あれも鉄壁どころか棒読みだったのだ。粛々と棒読みをおこなっていただけ。
さらに首相になってもテレビのニュースで紹介されるときは「結果」しか放送されない。「オーソドックスな質問にすらまともに答えられない菅の姿」(『菅義偉とメディア』秋山信一・毎日新聞出版)という時もあるのに、ニュース映像では顔をアップにして手元のメモは映っていない。
それで乗り切れてきたとしても、ここまで何も伝わらない事態となってザワザワしてきたというのが現況だろう。

広島から3日後の長崎の平和祈念式典では「遅刻」という騒動があった。

《開始は午前10時45分で、首相は41分に会場の平和公園に到着したものの、46分に着席した。首相周辺は遅れた理由について、「事務方の時間管理の不手際だ」と説明している。》(読売新聞オンライン・8月10日)

なんとここでも「事務方の不手際」という説明。いよいよ本当の姿が”発信”されつつあります。

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アーカイブ視聴は8月26日(木) 23:59 まで可能です。(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)