東スポは世の中のリトマス試験紙だ ウクライナ侵攻『プーチン トナカイの血飲む』の意図するもの│プチ鹿島
最近のロシア報道も同じ兆候があります。たとえばタブロイド紙だと日刊ゲンダイと夕刊フジは普段は政治的な論調は正反対ですが(だから面白い)、ロシア報道ではどうか。
4月9日はどちらもプーチンの写真を載せ、
『深刻病状』(夕刊フジ)
『深刻 ロシア食糧難焦り』(日刊ゲンダイ)
と報じていました。プーチンが本当に病気なのかどうかはわかりませんが「深刻」というテーマは同じです。日刊ゲンダイと夕刊フジの論調が似てきている。この件だけでもやはり「深刻」です。
その頃の東スポは『プーチン トナカイの血飲む』(4月6日)でした。
シカの枝角から採取した血を利用した民間療法はロシアに存在している、という情報から元警視庁公安部出身の方が解説していました。
一見すると面白記事のようですがよく読むとこれもプーチンの健康に関する記事でした。この点からもタブロイド&夕刊紙では「実際プーチンはどうなってんの?」という興味が集中していることがわかります。それほどプーチンの行いは酷い、なぜだ?という思いが共通しているのだ。下世話な視点から大きいニュースを追うのも重要だと思います。世の中の気分がわかります。
※朝日新聞のほか園子温問題についても話しました。4月21日まで視聴できます。
青木理×久田将義×プチ鹿島の“タブーなきニュース空間へようこそ” vol.8
https://twitcasting.tv/loft9shibuya/shopcart/144421
(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)