「逮捕、逮捕!」九段下騒然 怒号と涙の安倍元総理の国葬現場

が、靖国神社を過ぎ九段下へ向かうにつれ、メガフォンから聞こえてくる警察官たちの声が耳に入ってきた。

「立ち止まらないでください」「特に点字ブロックの上には立ち止まらないでください」といった内容だ。

そして九段下の交差点が最も、騒然としていた。「国葬反対」というビラを持った人。マイクで「こ・く・そ・う・はんたい!」とリズムをつけて叫ぶ団体。

日本武道館、靖国通り沿いには警察車両の他、フルスモークのマイクロバスが100mあまりの長い縦列駐車を作っていた。武道館前は通禁止の為、道路に飛び出す人を阻止するためだ。マイクロバスを見ると全部「わ」ナンバー。トヨタレンタリース各支店から借りてきたものだった。

道路をふさぐ警護車両。
警護車両にマイクロバス?と疑問に思ったが…。
レンタカーも総動員で国葬に当たる。

すると、一人の男性を警察官5,6人で取り囲んで「逮捕、逮捕!」という声。この声は警察官が発したものか、分からない。ただ映像を見ると混雑した道路に嫌気がさしたのか、近道をしようとした男性を取り押さえていた。それを見た別の男性が「乱暴はしないで下さい!」と抗議をする。確かに近道をしようとしただけなのに大袈裟ではあるが、安倍元総理の警備が手薄だった事が指摘されている警察では、少しの騒ぎでも逮捕もあり得るという事だろう(この男性は注意されそのまま去って行った)。

葬儀とは普通、しめやかに行われるものではないだろうか。これでは送られる安倍元総理が気の毒にさえ思えてくる。岸田総理の判断ミス。そして拙速だったと思う。

道行く人には日本武道館に向かって手を合わせている人。歩きながら涙する人もいた。

日本武道館に向かって手を合わせる人も。

そして、九段下を離れると違う人ごみが。学生やサラリーマンたちだ。

「お祭り、お祭り」(サラリーマン風の男性)

「単位、どうする?」(女子大生と思われる女性たち)

の声が聞こえ、あっという間に日常へと空間は変わっていった。(文・写真@久田将義)