旧統一教会で思い出される オウム真理教を当時のメディアはどう報じたのか

あとは、突然麻原の弁護人を買って出た「ヨコベン」こと横山昭二弁護士が唯一無二の個性派キャラだったことから、岡村隆史が散々マネをした。横山氏は押し寄せるマスコミに対し「バカモノが!」「自動車に乗れんじゃないか!」「もう、や~め~て~」などと激高するシーンが多かった。これを岡村がマネし、人気キャラになった。

余波は留まらず、「霞ヶ関」というネットゲームが登場。日比谷線、千代田線、丸ノ内線の5駅(霞ヶ関駅は除く)に手持ちのサリン5袋を撒き、より多くの被害を出す、というゲームである。「不謹慎ゲーム」の代表格とされる。

未だにオウム関連用語は使われ続ける。胡散臭いカリスマ扱いされる人間のことは「尊師」と呼ばれることもある。しかし、こうした言葉をネットで見た若者は一体何が何やら分からないことだろう。しかし、我々世代(私は49歳)は、毎日大量の報道という名のイニシエーションを浴び、すっかりオウム関連用語が日常語として定着してしまい、マインドコントロールされてしまったのである。(文@中川淳一郎 連載「俺の平成史」)