「裏金問題」は森喜朗氏に聞き取り調査をしてみてはどうか│プチ鹿島

次も面白い。

《自民の浜田靖一国対委員長は4日のテレビ番組で開催に前向きな姿勢を示したが、7日には「ハードルが高い」と態度を一転させた。》

だから相手はハードルではなく安倍派だろうに。「一部の安倍派幹部は、同意が取れる状況にない」と続くが、そもそもなんで安倍派が主導権を握っているのか。これが”自浄作用”の正体なのである。

では安倍派幹部は今回の件をどう言っているのだろう。それを知るのも大事だ。発売されたばかりの『文藝春秋』3月号では『「派閥とカネ」本音で語る』と題して萩生田光一、加藤勝信、武田良太の3名が座談会をしている。それを読むと萩生田氏は、

「私が所属していた政策グループの会計処理を巡って、国民の皆さんに大変な政治不信を招いたことをお詫び申し上げたいと思います。」

と冒頭で述べている。なんだかうっかりミスみたいに語っている。しかしその割には政治不信をお詫びしているからヘンだ。それにしても「政策グループの会計処理」という言葉の変換は「派閥の裏金」と絶対に言ってはいけないゲームにもみえる。

さて冒頭で紹介した毎日新聞の記事には『森元会長、対象外』とある。自民党の聞き取り調査の対象には、森喜朗元首相ら清和会の歴代会長は含まれていないことを指している。パーティー券キックバックで不記載という慣習は森氏が会長時代からおこなわれていたと言われている。

森喜朗氏に関しては他にも五輪汚職問題では週刊文春が、

『《逮捕後初の肉声》「森喜朗さんが勝手なことを言っているだけ。森さん、本当のことを言ってください」五輪汚職事件のキーマン・高橋治之被告が独占告白7時間』

と最新号でやっているし、神宮再開発問題では東京新聞が、

『15分の密談後、森喜朗氏は外苑再開発案に「すばらしい」と声を上げた…東京都幹部、水面下の交渉内容』(1月31日)

など振り返り企画をやっている。どの方面にも森喜朗先生のお名前をお見かけするのだ。いまこそ森さんにいろいろ聞き取り調査してみたい時期ではないでしょうか。(文@プチ鹿島 連載「余計な下世話」)