気鋭の作品が勢ぞろい 「第3回石垣島湘南国際ドキュメンタリー映画祭」開催

Dawn Mikkelson監督は、
「ワオ! このような賞をいただき、大変嬉しく思います。FINDING HER BEAT』が日本の観客に受け入れられていることを知ることは、私たちにとって大きな意味があります。この映画は、日本の国や太鼓という美しい芸術へのラブレターだからです!」

受賞作に登場する演奏者の浅野香氏は、「本作品は海外で多数受賞してきたが、和太鼓の本場である日本での初受賞で慶びに堪えない」と話している。また、長編部門観客賞は日本のシングルマザーの貧困問題を海外ジャーナリストの視点から切り込んだオーストラリア人のRionne McAvoy監督「取り残された人々:日本におけるシングルマザーの苦境」が受賞した。

【長編国際コンペ部門グランプリ】
「HOPE of TANZANIA」(監督:中島祥太)
スマホや太陽光発電等を駆使して、先進国の
技術進展笑飛び越えてリープフロッグ型発展
の実情を描く。アフリカの民族音楽と超高層ビルのコントラスト。ランタン、エアコンの
サブスク等の現状を、移住した日本人を含む
複数人の現場目線で描く。

【長編一般部門グランプリ】
「木組みの家 大工 阿保昭則の家づくり」
(監督:上田謙太郎)

「映画は時間の芸術だ」との名言を記者に語った長編部門審査委員長の筒井武文監督。早回しにしたり、倍速にしたりすることなくじっくりと秒単位の間も熟慮しながら、真摯に審査する姿勢に感動した。

会場の複合型高齢者施設「マゼラン湘南佐島」(横須賀市佐島1丁目)から望む海は絶景。沖縄県石垣島で高校生向けの公営塾で、教鞭を執ったこともある長島氏が、生徒が作った映像作品の発表の場として始めた。来年の第4回は石垣島での開催も視野に入れている。

長島監督は、フジテレビの報道ディレクター出身。ニュースJAPANのディレクターとしてFNN報道特集の制作に携わり、脳性麻痺の画家浅井力也氏の幼少期に密着取材し、『小さな天才画家 -絵に託された想い-』を製作した。

フジテレビで同期だった武内英樹監督(「翔んで埼玉」でアカデミー賞受賞)との再会後の2015年4月に東京芸術大学大学院映像研究科映画専攻修士課程に入学。2016年3月に監督兼プロデューサーとして、画家浅井氏を描いた映画『The Calling -神様から与えられたお仕事-』(THE CALLING -FROM THE HEAVEN-)を撮り、2016年第36回ハワイ国際映画祭に入選し、ベストドキュメンタリー観客賞にノミネートされた。スウェーデンのストックホルム、フィンランドのヘルシンキ等でも上映された。

伝統工業の事業承継を描いた作品も印象的だった。有名私立中高受験の進学教室講師歴ある
筆者は、ドキュメンタリー映画は、社会科の学習にもなるので、親子連れ、小中学生も観たら良いと感じた。(文・写真@野島茂朗)