ロックシンガー森下玲可がデビューから30周年 アニバーサリーライブを披露

アンコールは、土方隆行作曲の
「時空」(Jikuu~時空~)
ラストナンバーは、森下玲可作詞 石川寛門作曲
「傷つけてPrecious Love」(ZERO)。
森下の卓越した歌唱力と楽しいMCを支えるのは、個性豊かな実力派メンバーだ。「お喋りピアノ」と森下から命名されたピアニスト・キーボーディストの広田圭美は、多重レコーディングの1990年代の音源を再現するための併用の苦労を吐露しながらも「シマウマにヒョウ柄で、一人動物園。ウサギの帽子をかぶっていたら」と森下の服装を秀逸に弄った。広田と同じ誕生日でユニット227でも活動するパーカッションの山下由紀子と共に厚いサウンド作りに寄与する才媛。

ギターの土方隆行は、「かたやん」 の愛称でカリスマプロデューサーからも引き手数多の
人気実力派。 シティ・ポップ 全盛期には、1日に多いときで6件のレコーディング現場をこなしたこともあった。奇しくも森下玲可デビューの頃に生まれたイケメン次男の理久音との親子ツインギターは圧巻だ。
ドラマー の西川 貴博は、浅香唯の夫。ロックバンド・THE KIDSでメジャーデビュー。包容力ある笑顔と強運の上がり眉が印象的なダンディが、刻む安定ビート。
その盟友のベーシスト吉岡誠司は、大西結花のサポートでも活躍。歌唱力抜群でバックコースも森下から高く評価されていた。
終演後に元プロデューサーの月光氏に
「どう、上手く歌えるようになりましたか?」と森下は訊ね、「良かったです」と月光氏は満面の笑顔で答えていた。向上心を持って素敵に歳を重ねている。
夏と冬の2回の定例開催になっていた森下玲可公演に、歌姫ZOOCO、高樹リオ等との
「WA―ROCK Fes2」(5月31日・東京・下北沢シャングリラ)、リンドバーグ、ZIGGY、カブキロックス、黒夢のサウンドプロデューサーも務めたシンガーソングライターの佐藤宣彦
とのコラボ等展開も期待される。(文・写真@霜月潤一郎)