現役警察官が明かす警察の性の内幕 なぜ?旭川女子高生殺人事件容疑者と担当刑事が不倫

写真はイメージです。

「これ、何ですか」と報道を読んで、呆れたように吐き捨てたのは、現役警部でした。

4月に留萌市の女子高校生、村山月さん(17)が旭川市で橋から落とされて殺害され、内田梨瑚容疑者(21)ら女2人が逮捕されました。

現在、内田容疑者らの「正体」が各誌で報道されています。まだ容疑段階とは言え、週刊文春などで内田容疑者が「旭川17歳女子高生殺人犯と担当刑事が不倫していた!」(週刊文春2024年7月11日)という見出しで記事が掲載されました。

記事内容は詳細であり、情報源は当然明かせないものの記者クラブや捜査本部に極めて近いものと個人的に推察します。

と、簡単に書きましたが、とんでもないことです、これは。と言っても冒頭の警察官のように真面目な、正義感にあふれて警察になった人間もいます。彼らにしてみれば呆れるというより怒りが湧いてくるような騒動です。

単なる不倫ではなく、殺人事件の容疑者とそれを取り調べる警察官の性交渉。ここまで司法は堕ちたのかと思わざるを得ません。北海道警と言えば、日本警察史に残る大スキャンダルが起きた警察でもあります。

映画『日本で一番悪い奴ら』(白石和爾監督 綾野剛主演)で描かれていますが、あれは実話を元にした作品である事はよく知られています。本当にとんでもない事件で、多少なりとも当局に取材をしていた筆者からしてもあり得ない案件でした。要約すると、稲葉圭昭元警部(当時)が成績を上げたいがために、組織ぐるみでヤクザ組織と組んで銃器押収をしていたという事件でした(2002年稲葉元警部補逮捕)。

この教訓が活かさせているのかいないのか――。

活かされていないのだろうな。国民、道民はそう思ったとしても致し方ありません。警察官の性に関する不祥事は実は最近、多いように感じます。以下、当時の新聞・テレビなどで報道された事件を抜粋・羅列してみます。

 

・2021年5月、兵庫県警は28日、同県西宮市内の交番に勤務していた20代の女性巡査部長と20代の男性巡査部長と不倫で、処分。

・2022年7月、愛媛県警は2021年9月~今年3月頃に、勤務していた男性巡査部長と女性警官が交番内で不倫、処分。

・2023年7月、石川県警は同じ警察署に勤務する20代の警察官の男女が、勤務中に職場を離れ密会、処分。

・2023年11月、高校1年の女子生徒にみだらな行為をしたとして当時神奈川県警川崎署の巡査部長として勤務していた男が不同意性交罪で起訴。

・2024年4月、兵庫県警では2023年ころから不倫関係にあった男性巡査部長と女性巡査が交番内で不倫・性行為を行ったとして処分。

・2024年4月、香川県警で男性巡査と女性巡査が交番勤務、勤務外で性行為に及び処分。

・2024年3月、2022年6月~23年4月、男性警察官と勤務時間中に本部庁舎内で性交を複数回繰り返したことが発覚、処分。

……情けないと思われた方は筆者だけではないはず。『警察24時』みたいな番組も眉につばをつけて視聴せざるを得ないですね。

ではなぜ、警察官はこんなにも性を抑えらないのでしょう。小サイトで以前、現役男性警察官に取材したとき、「性行為は残念ながら日常茶飯事です」とコメントしていました。なぜか。そして、いくつかのポイントを示してくれました。

 

・職場である警察署で男性10に対して1ぐらいの割合でしか、女性職員がいない事。

・新人警察官は警察学校卒業後、地域の交番勤務に就く。その際、指導部長という巡査部長の元、一緒に行動をして事件・事故の扱いを覚えていく。ほぼ毎日一緒の状態が続く。

・当直勤務は朝8時半から翌日の昼まで24時間以上になるので、ある意味家族以上、一緒にいる時間が続く。

・卒業したての警察官からすれば、現場を仕切る先輩警察官は輝いてみえる。指導部長からすれば熱心に質問したりする後輩は可愛く見えてしまう。

 

ざっくり言うと上記の形態が原因の一つであると言いますが、これは氷山の一角で署内での不倫はかなり聞いているとの事でした。

「警察官と言えど社会人。ただ彼らは高校・大学を卒業してそのまま警察官になっているので世間を知らない。また交番で仮眠を取るとき、同室で隣の布団で男女の警察官が寝る事もある。これが性行為を助長しているのでは」(前出・警察官)。

ただ、この指摘(仮眠室で寝る事などによる不倫)はメディア関係者にとっても耳が痛いところで、不祥事を報じる側にも不倫の噂はあとを絶ちませんが、これはまたの機会に論じたいところです。

今回の旭川女子高生殺人事件は、担当刑事が容疑者と性的関係を持っていたとしたらメディアの不倫とは、位相がまた違ってきます。尊い命が亡くなっているのですから。

警察官らの性的乱れはおそらく無くならないのではないかと思われます。防ぐには第三者委員会などの設置が必要でしょうがそういった動きは聞いていません。暗澹たる気持ちになりますが、全ての警察官がそうではなく少なくとも真面目に、正義に殉じる警察官の方か多いと、取材体験からの肌感覚では思っていますが……。(文@久田将義)