貧困にあえぐ子供達のために 川越市で「こども食堂」開設
埼玉県川越市の「川越食堂」と「あかねクリニック」がコラボしてこども食堂を開始した。定休日の月曜日を除き、基本毎日営業。 高校生以下の客は食事代が無料となる。
「あかねクリニック」の西澤賢治(小児科専門医)院長は、 「『地域の子どもは地域の大人が守る』をコンセプトに、診察に伴う収益を、お子さんの食事代として協賛させて頂いています」と語る。 訪問診療をする中で、食生活に恵まれない 貧困家庭の児童に遭遇することも少なくなく、 こども食堂の構想を持った。
「私にとって『こども食堂』とは『すべてのこどもたちへのお手伝い』です。私は自分が幼いころから『こども』のことを『大切な存在』と信じていました。こどもをそのように捉えていたため、私は小児科医になろうとしました。小児科医になるために医者になりました」と語るこども想いの西澤院長が、訪問診療のために移動中に昼食に立ち寄った店が、偶々、こども食堂を運営した経験を持つ天野雅博プロデューサーの店だった。
建物老朽化で一月に閉店した定食酒場食堂 (東京都新宿区)でこども食堂を10年間運営していた。 天野氏は、北海道と愛知県の児童養護施設で育ったので、空腹の子どもの気持ちは人一番分かる。
「お腹も心もいっぱいに」の昭和人情で、料理を提供。電子レンジ、化学調味料を使用しないヘルシーなメニューを天野氏自らが開発し、店長の哲也さんが継承している。
「親同伴の子どもからもお金を頂かないですよ。 当たり前のことでしょう。子どもが腹減らせて来たら、食べさせます」と語る天野氏。
「親同伴かどうかで、子どもの代金をとるとらないとすると、次から来づらくなる子どもも多い と天野さんの配慮でしょう。お金がない、 頼る人がいない、どうしたら良いかわからない といった三重苦に苦しむ人たちに少しでも お役に立てたらと思います」(西澤院長)。 こども食堂がこどもの心も満たされるように。(文・写真@霜月潤一郎)