好感度アナウンサー発見 美女酒豪アナウンサー市野瀬瞳さん「私とお酒とマーラータン」
東海地方で現在、活躍中の人気アナウンサー市野瀬瞳さんはドラゴンボールZの元気玉を集めたような人でした。ポジティブで相手に気遣いをし過ぎるほど丁寧な対応。そして何よりトーク技術の上手さと、もはや生活の一部と化している「酒」と「マーラータン」の話になるとテンションがオクターブ高くなるのが、見ていてこちらも楽しくさせてくれます。そんな魅力のあるアナウンサー市野瀬瞳さん、通称「いっちー」は「私は待たせるのが凄く嫌いなのです。本当にすみませんでした!」と、前のインタビューが押していたのを非常に気にかけてインタビュー場所で出迎えてくれました。
●「小島奈津子アナウンサーが朝から元気をもらって大好きでした」
――お母さまが仕事としてラジオパーソナリティを希望されていたと聞いたのですが、それがラジオ進出のきっかけだったのでしょうか。
「母はラジオのアシスタントみたいな感じで、それを小さい頃に聞いた事がありました。母が出来なかったこと将来やりたいなというのが多分、頭の奥の方にあったんですね。自然に気づいたらアナウンサーを目指していたんですよ」
――気づいた頃には……。
「でもその前はバレエの道に進みたかったんですよ。4歳からバレエをやっていて、青春時代がバレエだったんですよ。だから男の子とかと付き合ったりも全然なくて。それをずっとやっていた時、17、18歳くらいの時にレッスンが嫌いになっちゃったんですよ。何でこんなに身体を痛めつけてやっているんだろうって。それで違う世界を見てみようと思って、入ったのが横浜の大学(横浜国立大学経済学部)です。それでテレビ神奈川の番組でオーディション開催というのがあって、たまたま受かったんです。そしてTVK(※テレビ神奈川の略)の女子大生レポーターとして番組に出るようになったんです。大学3年生の時でした。それがきっかけです。ただきっかけとは言え、アナウンサーっていいなっていうのはバレエをしながらも思っていました」
――誰か目標としていたアナウンサーはいたのですか?
「当時、『めざましテレビ』(FNN系列)のなっちゃん(小島奈津子アナ)がパンを食べているコーナーがありました。パンを食べながら色々中継するコーナーがあったんです。私、なっちゃんが大好きで。アナウンサーってこういう感じなんだ、朝から元気もらうなみたいな」
――分かります。
「だからいいなーって。『めざましテレビ』は見たことありますか?」
――もちろんです。
「たまたまオーディションを受けたら受かったのが始まりで、これを一生の仕事にしていきたい。マイクを持って話すのって楽しいなって。これ私、向いているかも。これ毎日出来るんでしょって。この仕事超楽しいじゃんって思って。そもそも私は不器用なんで喋る事以外出来ないんですよ。だから出来る事が喋る事しかないと思ったんですよ」
――そんなにハマったのですね。
「人前に出るのってバレエをやっていた時にもありましたから。ライトを浴びるのが気持ち良いんですよ。ステージの上で躍る時って。何物にも代えられない。あの時の感動。緊張感も大好きです。鼓動が早くなる感じ。ああ、大丈夫かなみたいな。広い舞台で一人で躍る。それが多分人前に出る仕事とつながったんでしょうね」
●「当時はAKB48に寄せてアイドル的アナウンサーでした」
――バレエとアナウンサーがつながったのですね。
「身体は使えないけど皆の前で喋るのは似ていて。TVKの仕事の時に、あ、これやっていきたいなとずっと思って。私、毎日ウキウキワクワクした気持ちで過ごせるんだって。だから就職試験はアナウンサーしか受けていないです。というかアナウンサーしか出来ないんで。他の職種、例えば証券会社とか何も分からないので。お金の流れも分かっていないし」
――経済学部ご出身ですよね。
「すみません、あんまり中身がないんで(笑)」
――いやいやいや。横国の経済学部って誰でも入れません。
「ただ単に暗記が出来ただけで(笑)。就職はアナウンサーしか受けていないんですよ。キー局2つを落ちて。落ちたときにお母さんが好きなんで母と過ごしたいと思って、地元の局を受けてみようかなって思ってNST新潟総合テレビを受けたらたまたま受かったので5年間、ですよね」
――それで、中京テレビへ。
「もっと大きいところに行ってプラスもっとバラエティやりたいって。掴みに行くぞっていう感じでした」
――いっちーという名前は……。
「いっちーはNSTの頃からです。『イッチー・ザ・ワールド』っていう旅番組をしていたんです。その時の私は、これは言いづらいんですけど、当時はアイドルアナウンサー的立場でした」
――そうだったのですねー。
「AKB48が爆発的人気だったのもあり、そこに寄せる感じでそれこそフリフリの服を着ていました。衣装もそうだしそういう風に作り上げられていたんですよ。今のいっちーじゃなくてあの頃のいっちーはもう、逆に万人受けするような感じの、アイドル像みたいな感じでした。って自分で言うのは嫌なんですけど(笑)」
――分かります(笑)。
「あの頃の私を知っている人は私が中京テレビに入って、番組に出ている私を見た時にショックだったと聞いています。凄い清純派だったのにっていう感じだったのに、何このぶっちゃけキャラみたいな。どっちが本当のいっちーなの?みたいな。でも中京テレビに入って『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです!』をやらせて頂いて、付いてくださったファンは多くいらっしゃるので」
――中京テレビさんのはYouTubeで見させて頂いて面白かったですけどね。それにしてもテレビ・Youtubeどおりの方ですね(笑)。
●「Saturday Flavorは今までの『いっちー』を封印して大人のラジオにしています」
「そうなんです(小声で)」。
――これが本当の市野瀬さんという事ですよね。
「はい。はい。大丈夫ですか?(小声で)」
――素晴らしいです!
「東海ラジオ『Saturday Flavor』(サタデーフレーバー)は一人で4時間生放送お願いしますといわれた時、『今までのいっちーではない、いっちーを出してください』と言われました。『さわやかな大人のミュージックステーションです』という風に言われたので、いつもの私を封印しているんですよ(笑)。サタデーフレーバーを聴いている人は違和感を覚えるかも知れません。普段のいっちーを知っている人は、爽やかぶっている(笑)って思うかもしれませんね。だから、封印しているのですけど、好きな事をしゃべる時は地が出ちゃうんですよ。お酒とかマーラータンの話をするといつもの感じが出ちゃって…で、ヤバって気付いて『サタデーフレーバーのいっちー』に戻すんです」。
――良いじゃないですか。2つの市野瀬さんが聴けて。
「だから『キレイなアナウンサー』を出しているのでキャラが出ていないんですよ。『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです!』のような感じは出していないんです」
――いいと思います! あとXを見ているとやはりお酒の事とか聞かれますよね。
●「お酒は何でも飲みますがモテ酒は飲みません!」
「(テンションが上がって)ああー!いっぱい聞いてくださいっていう感じですー!(笑)」
――マッコリがお好きという…。
「というか全部好きです!すみません(笑)。甘いお酒以外は好きです。カシスオレンジとか可愛いのは飲まないです。ザ・女子みたいなのは飲めるけど飲まないです。モテるお酒は飲まないです(笑)。後は何でも飲みます。ビール、焼酎ソーダ割り、ワイン、日本酒、テキーラ…全部です。モテ酒以外全部です」
――X見たらマッコリを飲んでいました。
「最近のやつですね。あれは韓国料理屋さんに行って。それと手酌が好きなんです。私は気を遣われるのが嫌なんですよー。自分のタイミングで自分で飲みたいんいですよ」
――注がれるのが好きではないと。
「だから注ぎたいという人がいらっしゃったら、頂きますけど、私は逆に注ぎたい派なんですよ」
――いつ頃からそんなにお酒好きになられたんですか。コロナになってから僕は飲む習慣がなくなったのですけど。
「家という素晴らしい酒場があるじゃないですか!(笑)。私は家飲みが好きなんですよ。宅飲みの1人酒が好きなんですよ、一番。でも一人でおばんざい屋さんとかに行って飲むのも大好きです」
――いいですよねー。そのお店独特の味があって。
「おばんざいでカウンター座って、一人酒っていうのは完璧ですよね。もう何時間でもいちゃいますね。あと焼き鳥も好きです(にっこり)」
●「マッコリとチャミスルで割る。この飲み方を流行らせたいんです」
――ちなみに僕が知っているマッコリの飲み方ってマッコリと……
「(間髪おかずに)ビールで割る?」
――さすがです! 飲みやすくてヤバイです。
「バクダンと言うんですよ。私が酒造会社の人に褒められたのはマッコリとチャミスルを割るんです」
――それもヤバそうですけど……。
「そしたら、凄い褒められて。だから私は、自分で飲む時チャミスルとマッコリを割ったのを飲んでいるんですよ。これねー、流行らせたいんですよ(笑)」。
――度数的に大丈夫ですか。
「マッコリって私は酔わないんですよ。で、そこにちょっとアクセントとしてチャミスルが入る事によってものすごく良い感じになるんです。マッコリだと度数が低いから私からすると甘いからそんなに酔わない感じがして。だから、これチャミスルで割ったら美味いのではと言う事で、やってみたらめっちゃ美味しかったんですよ。だからチャミスルとマッコリを割って飲むというのをバズらせたいなと思っているんですけど。…そうだ、これ、Xで載せていないな」
――その場合はつまみは何ですかね。
「あー、どうしうよかなー! でも完全にスンドゥプです。やっぱり辛いもので。あとキムチスープとかねぇ。肉を食べたいですよね、その場合。焼肉と白髪ねぎ用意して、ニンニクをめっちゃ用意して。で、ゴマ油の中に塩入れて。サンチェで巻いて。ニンニクもりもりの(笑)。誰も気にしない。で、マッコリとチャミスルを家で飲む」
●「二日酔いは誰も同情しませんものね(笑)」
――二日酔いとかはならないんですか。
「二日酔いになる線が自分で分かるんですよ。その線以上飲むと次の日、使い物にならなくなります(笑)。マジで雑魚ですね」
――もう自分で分かるんですね。
「分かるんです。これ以上行くと、『使い物にならん市野瀬瞳』になります」
――そうなってしまう時もあるという事ですか。
「…ある(小声で)」
――僕も二日酔いには相当悩んだので。
「本当に辛いですよね。しかも一番辛いのが誰も同情しない(笑)。だから、もう言わない。絶対にバレちゃいけないんですよ(笑)」
――大学の頃はお金がなかったので、安いワンカップとかを飲んで酷い二日酔いでした。ストロングゼロも今はきついです。
「あ!……(笑)」
●「新幹線でストロングゼロロング缶とお弁当。至福の1時間40分です!」
――あ、飲んでいました?
「愛知県在住なので新幹線だと、東京から名古屋まで1時間40分なんですよ。ストゼロロング缶が一本あるとちょうど良いんです(笑)。1時間40分しかないのに、車内が凄く楽しくなるんです。だから、ストゼロロング缶とお弁当。で、楽しい1時間40分を過ごしています。東京・名古屋間は私にとって最高の晩酌時間となっております(笑)。(マネージャーさんへ向かって)もちろん帰りですよ!」
――でも1時間40分の楽しみが出来て東京に来る楽しさがより出てきましたよね。
「最悪なのは、お弁当とお酒を買う時間がない時ですよね。だからそこは絶対に確保するんですよ。ストゼロとお弁当を買う時間を計算しての新幹線予約ですよね。私はその日に飲むお酒をどういう感じで飲むか、何と合わせるかみたいなのを軸にして、365日生きているんですよ!」
――ハハハ!
「いや、これマジな話なんですけど! ほんとに、そこに向かって生きているんですよ。だから朝起きた瞬間から体のコンディションを朝ごはんとかお昼ご飯も全部そこに合わせるんですよ。例えば、夜に赤ワインを飲みたいとします。すると肉を合わせるじゃないですか。って考えた時にお昼ご飯、もしくは朝ごはんに肉を摂らないんですよ。そこに向かって肉を欲せさせる胃袋にします! さらに肉を食べたくなる体のコンディションにもっていくんですよ。ホットヨガに行ったりとか。仕事終わりのお酒は何でも美味しいんですけど休みの日とかはもう自分で決めてそこに向かってコンディションを整えていくんです」
――でもそれって楽しそうですよね。
「楽しい…(小声で)。それが私の毎日の楽しみなんですよ」
――毎日飲んでいるんですか。
●「13年前からマーラータンにハマりました」
「最近、休肝日週一制になったんですよ。何でかというと、マーラータンが好きすぎて」
――ああー、今流行りの。
「(間髪入れず)私は13年前からずっと好きなんです! 今ブームだから好きとかではないんですよ?」
――は、はい(汗笑)。
「じゃなくて13年前から好きなんですよ。そこは分かって欲しいんですけど」
――女性はみんな、好きですもんね。
「最近、みんな若い子たちがマーラータンをXとかインスタに出していて。私が行っている店って13年前の当時、中国人しかいなくて日本人一人もいなかったんですよ。それがこんなブームになっちゃって。私の居場所がないじゃんみたいな」
――確かに人気ありますよね。
「毎週、土曜日にマーラータンを食べるというのがルーティンになっているんですよ。ラジオ(サタデーフレーバー)を4時間生放送やった後に、酵素浴に入ってそれで汗を出すんですよ。で、その後に向かうのがマーラータンの店なんですよー(感慨深げに)。それが私の土曜日のルーティンで。今までマーラータンとビール、紹興酒とか一緒に食べていたんですけどある日、お酒ない方がマーラータンと向き合えるかもって。アルコール無しで食べてみたんですよ。そしたらこれまでの美味さよりもすごく上がって『ヤバい!マーラータン』と思って。マーラータンを愛しすぎているゆえに、アルコールを排除したんですよ。結果的に休肝日が毎週土曜になったんです」
●「バレエをやっていたからか、緊張を楽しむ事が出来るんです」
――ところで、フリーになって緊張するけれど、その緊張を楽しむといったようなことを以前、仰っていたと思うのですが。
「それはバレエをやっていたからなんですよ、きっと。さっき言った事です。バレエをやっている時に芽生えちゃったんですよね。緊張が楽しい、みたいな。ステージの前に出ていく。あの時の! 緊張感て凄いですよ。今から闘いに行く訳ですよ! テレビより緊張しますね。だって失敗したら観客の前でコケる訳ですよ。袖に立っている時……ああー懐かしい、やりたくなってきた! パッと出る前、袖の横でトゥーシューズ履いて待っている訳ですけどこうやって(と、立ち上がって実演)。自分の手が震えているのが分かるんですよ。待っている時。ここ! この瞬間がー! めっちゃ緊張するんです! それが凄い好きになっちゃったんですよ。で、あの時の緊張が興奮に変わるんですよ。それで、同じようにスタジオでカメラがパっと上がる瞬間も好きになっちゃったんです。バレエやっていなかったら緊張は嫌いでした。緊張って嫌じゃないですか」
――ストレスになりますものね。でも市野瀬さんと話すと前向きな気持ちになりますね。
「本当ですか。ウザいっていう人が多いですけど(笑)」
――いやいやいや(笑)。
「なかなか珍しいですよ」
●「ラジオは『アナウンサー喋り』は受けないんです。『私とあなたの』メディアなんです」
――読者の皆さんもストレスを抱えていると思うので。だからストレスとの向き合い方って結構重要だと思うのでそういうお考えを本でもお書きになればとふと思いました。
「いや文章力ないのでダメです。そういうの書いても誰だこいつって言われちゃうので、誰だこいつって言われないようになるのが目標です」

――関連で今の目標というと何になりますか。
「話す事が好きなのでトーク番組に出たいですね」
――ラジオへの想いはどうですか。
「ラジオ、好きです。ラジオはテレビよりもリスナーさんとの距離がめちゃくちゃ近いですよね! テレビってカメラがあるから、画面の向こうの皆さんになるじゃないですか。ラジオって『私とあなた』なんですよ。リアクションも速いんですよね、ラジオは。だから会話をしている感じです。私のぼやきを喋らせて頂ける場所があるという事はものすごく有難いです。テレビって「アナウンサー喋り」が求められるじゃないですか。滑舌とか。腹式呼吸とか。でもラジオってアナウンサー喋りって受けないんですねー」
――そうなんですね。
「そうみたいです。だからアナウンサーだとダメなんだなと初めてマイナス点を発見しました。アナウンサーだからしっかりとはっきりと喋ろうとしちゃうんですよ。ラジオは『ながら聴き』している方も多いからフワッと声が入ってくる感じがいいじゃないですか。先輩のラジオDJとかを聴いていると、腹式呼吸とか使っていないですよね。囁くように喋っている人とかいるじゃないですか。私は声がマイクに乗るほうだって言われるんですよ。それがマイナスに働く事があるんだなと思っちゃって。でも私は普通はこういう喋り方なんで、アナウンサーじゃない喋り方をしなければと思うんですよね。独り言みたいな。それが目標です」
――と、もう一つの目標はトーク番組。
「激辛とお酒が好きなので、そういう番組に出られると良いなと思っています」
――今日は面白かったです。有難うございました
「有難うございました! …あの……大丈夫でしたでしょうか(不安そうに)」
※最後までお茶目な市野瀬瞳さんでした。話していてアッという間の数十分間。良い意味で人間くさい人で、この人の魅力が少しでも多くの人に伝わって欲しいと節に願っております。(文・写真@久田将義)