「ラオスの帝王」ブログが映す闇…児童買春をネット経由で日本へ”輸出”

警視庁は29日、虚偽の住所や電話番号でレンタルサーバーを契約したとして、大阪府河内長野市のアルバイトの男(61)を私電磁的記録不正作出・同供用容疑で逮捕したと発表した。

男はサーバーを利用し「ラオスの帝王ラオジー」と称するブログを開設。ラオスでの児童買春の感想や少女とみられる画像を掲載し、有料サイトで場所や値段などを閲覧できる仕組みだった。男は関与を否認するが、端末に写真が保存され渡航歴も確認されており、約40人から計55万円を得ていたとみられる。

貧困と格差が生む「逃げ道のない現実」

大阪府の男が運営していたとされるブログには、少女とみられる画像が掲載され、リンク先で買春の場所や値段、感想を有料で閲覧できる仕組みになっていたという。日本から遠く離れたラオスでの行為を、国内のネット空間で「商品化」していた構図だ。

だが、こうした行為が成立してしまう背景には、ラオス社会が抱える深い脆弱性がある。

ラオスは近年、経済成長を遂げているとされる一方で、都市部と農村部の格差は大きい。

首都ビエンチャンの中心街には外国人観光客向けのカフェやホテルが並ぶが、郊外に出れば舗装されていない道も多く、十分な教育や医療にアクセスできない家庭も少なくない。

こうした環境では、少女たちが「働き手」として扱われ、搾取の対象になりやすい。貧困が児童労働や性的搾取につながる典型的な構造だ。

観光産業の陰で拡大する性的搾取

ラオスはタイやベトナムに比べ観光地としての知名度は高くないが、近年は「素朴で規制が緩い国」として一部の外国人の間で歪んだ需要が生まれてきた。

観光客が増えるほど、歓楽街やナイトスポットが拡大し、そこに犯罪的な搾取ビジネスが入り込む余地が生まれる。

児童買春は「観光の副産物」ではなく、需要がある限り供給が組織化される国際犯罪である。ラオスでも児童搾取は違法だが、摘発や保護体制は十分とは言えない。

警察や司法のリソース不足、汚職の問題、地方行政の弱さが重なり、被害者の救出よりも「見過ごされる」ケースが多いと指摘されている。さらに、被害児童が声を上げにくい社会構造も深刻だ。家族や仲介者に支配され、逃げ場がないのだ。

国境を越える人身取引のルート

ラオスは内陸国であり、周辺国との国境が長い。

そのため、タイ、中国、ミャンマー方面への人身取引ルートの中継地にもなりやすい。少女たちが国内だけでなく国外へ売られるケースも報告されている。買春は単独の犯罪ではなく、人身取引という組織犯罪の一部として存在している。

今回の事件で象徴的なのは、児童搾取が現地の路地裏だけで完結しない点だ。ブログや有料サイトで情報を売り、国外の利用者を集め、金を得る。ネット空間が犯罪を拡散し、搾取を国際化させる装置になっている。

現地の少女たちが置かれた弱い立場と、日本を含む先進国側の需要が結びつくことで、児童買春は温存されてしまう。

ラオスで児童買春がはびこる背景には、貧困、格差、観光需要、法執行の限界、人身取引、そしてネットを通じた国際的搾取構造がある。

そして何より、こうした犯罪は「現地の問題」ではなく、買う側・発信する側が存在する限りなくならない。

今回の事件は、日本国内にいる加害者が海外の弱者を搾取し、ネットで利益を得ていた疑いがあるという点で、私たちに重い問いを突きつけている。