民放番組に出られない能年玲奈をいち早く取り上げた関西の雄・サンテレビの嘘みたいな話

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前回の記事ではサンテレビのヒドい番組を紹介させていただきました。今回もヒドい話を紹介しつつ、サンテレビの魅力を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

テレビ局なのに空きっぱなしのスタジオ

釣り番組、ゴルフ番組、阪神戦の中継等々、サンテレビは多くの番組を自社で制作しており、その割合はおよそ4割と言われています。

『水曜どうでしょう』を始め、多くの人気ローカル番組を制作している北海道テレビ放送(HTB)ですら2~3割、恐らくは全地方局の中でもこの数字はトップクラスです。

こんなに多くの番組を制作しているテレビ局なのだからさぞかしスタジオは大忙し……と思われるかもしれませんがサンテレビの場合はその逆、むしろスタジオがほとんど使われていないのです。

実はサンテレビのスタジオを使う番組はわずか4つ。
釣り番組の『ビッグフィッシング』『The HIT』、タイガース応援番組の『熱血タイガース党』(野球のオフシーズンのみ放送)、そして地元情報番組の『午後キュン』、これだけです。
こんな「ほとんど外ロケの番組しかない」状況では毎日スタジオが稼働しないのは当然ですし、週によっては1日しかスタジオを使っていない、なんてこともあります。

先程自社製作が4割と言いましたが、これにはカラクリがあります。
4割は数ではなくて時間のこと。野球がかなり長いうえに、延長もするので相対的に割合が高くなるってだけの話です。
また、26:30以降の番組がほとんどないのでMXのように全体の時間数もめちゃくちゃ少ないのです。

きっとスタジオ勤務の方は退屈すぎて辛いに違いありません。

サンテレビのスタッフの方々のことが非常に心配です。

元AKBの中村麻里子が入社!

2017年、元AKBメンバーの中村麻里子がサンテレビに契約アナウンサーとして入社しました。AKBの主要メンバーではなかったとはいえ、サンテレビの他の女子アナと比べると圧倒的なネームバリューです。

Twitterアカウントのフォロワー数を見ても明らかで、サンテレビの看板女子アナ・榎木麻衣のフォロワーが約3千、中村麻里子はその50倍以上の約17万6千(2017年12月現在)と圧倒的な差で中村アナの勝利、榎木アナが少し不憫になる程です。

しかも中村はAKB時代にバラエティーでの活躍が目立っていたメンバー、サンテレビファンとしてはマルチな活躍を彼女に期待していたのですが、現在の出演番組はニュースのみ。寂しい状況です。

ただ…サンテレビの現状を考えると仕方がありません、他に出せる番組がないのです。

釣り番組はダメです、「ビッグフィッシング」に出演する元NMBの門脇佳奈子のように”濃い釣り人”から顰蹙を買ってしまいます。

阪神戦中継ももちろんダメ、3年程前の話ですが中継席に勝谷誠彦が登場し、大炎上したこともありました。

先週の記事でもお伝えした通り、お金がないので新しい番組も立ち上げにくい、八方ふさがりなのです。

せっかくのチャンスもまた台無し、中村アナも退屈すぎて辛いに違いありません。

やっぱり中村アナのことも非常に心配です。

サンテレビと能年玲奈

最後に珍しくサンテレビのイイ話を紹介します。

事務所独立騒動以降、民放テレビの出演が全くなくなった「のん」こと能年玲奈の出演についての話です。

独立U局でいえば、”TOKYOMXへの能年玲奈の出演が圧力により立ち消えた”という噂がTwitter上で話題になりました。

MXのように情報番組のゲストに彼女を呼ぼうとしていたサンテレビも、この噂を聞いて慌てて能年玲奈の出演を陰でこっそり断ったとか……。

MXでの問題が発生してから慌てるあたり、いかにもサンテレビっぽい話ですが、実はこの件に関しては珍しく”サンテレビらしくないカッコいいこと”もしているのです。

それはこの騒動の約半年後の2017年6月12日のこと、能年玲奈が何とサンテレビのニュース番組に出演したのです。

内容は、兵庫県の神河町という小さな村のPRウェブ動画に能年玲奈が出演するというニュースでした(神河町は能年玲奈の出身地)。

放送されたのはVTRでしたが、インタビューも行っていたので内容的にはしっかりと取り上げていた印象です。

報道番組があくまで「地元のニュース」として取り上げたので、さして問題にはならなかったのでしょう。狙ってやったのかはわかりませんが、ニクいやり方でした。

ただ、悲しいことにあまり大きな話題にはなっていません。

「MXですらできなかったことをサンテレビがやってくれた!」と話題になってもいいと思うのですが、そんな声はあまり聞こえてこず。たまには褒めてあげてください。

いかがでしたか?
今回はちょっとイイ話も書きましたが、そんなところも含めてサンテレビっぽい。
決して普段から見ているわけではないけど、何だか気になる、そんな『不思議な立ち位置のテレビ局』なのです。

先日、2021年を目途に本社を移転することを発表したサンテレビ。場所は変わっても中身は変わらないことを願っております。

取材・文◎ジャミロ熊井