岩崎隆一容疑者と宅間守死刑囚の共通点 小学生を襲った二人の悪魔の「心の闇」|八木澤高明

宅間の生家前を通り過ぎる親子連れ(筆者撮影)

2019年5月28日、JR登戸駅近くでカリタス小学校の子どたち19人が次々と刺されるという事件が発生した。小学六年生の女児と見送りに来ていた別の小学生の保護者である小山智史さんが犠牲となった。容疑者の岩崎隆一は事件後、自ら刃物で首を刺し自殺を遂げたことから、その動機は容疑者の口から語られる機会は永遠に無くなってしまった。

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岩崎容疑者の自宅は、現場から4キロほど離れた川崎市麻生区。幼少期に両親が離婚したこともあり、伯父と伯母の三人で暮らしていた。近隣住民によれば、深夜に家に出入りする姿を見かけることはあったが、仕事をしている気配はなかったという。さらには、近所の男性に葉っぱが目に入ったなどの言いがかりをつけて、喧嘩になるなど、変わり者という印象を持たれていた。

近隣住民ばかりでなく、小中学校時代の同級生によれば、怒り出すと手がつけられなくなり、同級生を鉛筆で刺すなど、感情のコントロールができない一面があったという。同級生の中には、事件を起こしたことに驚かないという証言をする者もいた。

凄惨な殺人現場(撮影◎編集部/川崎市)

岩崎容疑者への評判、小学生を襲ったという行為から、すでにメディアでも報じられているが、2001年に発生した宅間守死刑囚による池田小襲撃事件を思い浮かべた人も少なくないだろう。

私は、池田小襲撃事件後、宅間守が暮らした兵庫県伊丹市を取材したことがあった。

中学校時代の宅間を知る人物はこう語った。

「やっぱアイツだと思ったよ。奴を知ってる人間なら誰も驚かんな、やってもおかしくないわ」

この証言は奇しくも岩崎容疑者の同級生の証言と重なるのだった。手のつけられないワルだった宅間は、この地方の方言で「ゴンタ」と呼ばれた。