この顔に要注意! 日本人だけを専門に3500万円をだまし取った女装男性がタイで5度目の逮捕

okama1.jpg日本のニュースにもなりました(NNNより)

タイ警察は2月4日、日本人の旅行者とビジネスマンに的を絞って寸借詐欺を働いていた女装男性を逮捕したと発表しました。

逮捕されたのはウタイ・ナンタカン容疑者(43)。在バンコク日本大使館から昨年11~12月の間に日本人旅行者とビジネスマン10人以上が女性を装った人物に詐欺に遭っていると通報を受けたため捜査した結果の逮捕でした。

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ウタイ容疑者はバンコクで日本人の多いスクンビット地区のトンロー、アソーク、エカマイ、ナナ、ビジネス街のシーロムなどで獲物の日本人を見つけていました。しかも同様の寸借詐欺で逮捕歴5回、10年間で100人以上の日本人から3,500万円を騙し取っていた常習犯だったのです。現地日本人社会では再三注意を呼びかけられていた人物でした。

手口はこうです。まずある程度裕福な身なりで女性にカネを貸してくれそうな雰囲気の30~40代日本人男性に英語で声をかけます。自分はシンガポールや台湾、香港から来た旅行者だが財布を落として所持金がないと言います。医療用語を会話に散りばめて信用させ、友人に電話で連絡を取ってほしいと獲物に頼みます。しかし教えた番号は、勿論元々通じない番号です。

連絡が取れないことを可哀想に思った獲物がカネをウタイ容疑者にあげようとしますが、ここは一旦断ってさらに信用させます。しかし代わりにシンガポールや台湾、香港の家族と連絡が取れて送金してもらえることになったので、送金先口座として獲物に口座を貸してほしいと頼みます。

ここでウタイ容疑者はトリックを使い、家族から獲物の口座宛に海外送金が完了した画面を見せて信用させた上で、口座への着金には3~5日かかるので、先に建て替えて欲しいと頼み、ATMで現金を引き出させる…という何段階も信用させるステップを踏む巧妙な手口でした。獲物は何日経っても送金されてこないことから騙されたことに気付くのです。

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ウタイ容疑者は有名大学の医療関係学部で2年生だった時に日本人男性と2人でインドネシアのバリ島へ旅行に行ったのですが、その際に騙されて日本人男性がホテルから姿を消したことで宿泊代金を全額1人で払わされ、その後の交通費も無くなり苦労した経験がありました。それ以来日本人を恨むようになったことが日本人ばかりを狙って寸借詐欺を働いた動機だと語っています。

2年前に逮捕されて8か月服役した際にはもう止めようと思っていたものの、出所すると自分を誹謗中傷するメールが届いた上に、ネット上には自分の写真と共に注意を促す日本語の書き込みがいまだに絶えず投稿されているのを目にしました。さらに「オカマは嫌いだ」という日本語のコメントを見るに至り、怒りを抑えきれず再度犯行に及ぶようになったと胸の内を明かしています。

巻き上げたカネは遊興費やネットカジノ、男に貢ぐことに使っていました。

okama2.jpg女装バージョンはこちらです(NNNより)

大学生の時に騙されたという話を信じれば可哀想だと同情したくもなりますが、もし一緒に旅行していた日本人男性がウタイ容疑者に「自分は女性だ」と騙されていたのだとしたら話は別になります。男性だとホテルで初めて気が付き、慌てて荷物をまとめて逃げ出したことを恨んできたのかもしれませんが、真相は2人にしか分かりません。

いずれにしても次の出所後にもまた犯行に及ぶ可能性があります。タイへ行く予定のある方は、この犯行の手口をよく覚えておいたほうが良さそうです。(取材・文◎赤熊賢)