紅白常連でもおかしくはない 「アイドルが憧れるアイドル」鈴木愛理が否定しない自分自身の価値

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鈴木愛理 1st LIVE 〜Do me a favor @ 日本武道館

 ℃-ute解散後ソロになった鈴木愛理にとっては初の本格的な全国ツアーとなる「鈴木愛理 LIVE TOUR 2018 “PARALLEL DATE”」の東京公演が11月15日、お台場のZepp DiverCityで開催されました。

 そのツアータイトルの通り、鈴木愛理との”デート”を疑似体験できるような演出が満載のこのツアー。デートにおける様々な感情やら何やらは楽曲で表現されており、可愛らしい曲もあれば、切ない曲もあるし、ちょっと屈折した感情を描く曲もある。6月に発売されたソロデビューアルバム『Do me a favor』 の収録曲と今回のツアーで初披露となった新曲とを交えながら、愛理とのデートの一部始終を楽しめるというライブです。

 言ってみれば、女性アイドルにおける”疑似恋愛”という要素を強く押し出しており、その意味ではファンの願望を強く意識したライブと言えるでしょう。いわゆる”アーティスト”として自分が表現したいことをエゴイスティックに見せるというよりは、ファンが求めるものをしっかり届けるというコンセプト。でも、ファンにしてみれば、ただかわいい愛理だけを見たいわけでもなく、バリバリに踊る愛理も、生バンドで力強く歌い上げる愛理も見たいわけで、そのあたりももちろんしっかりと見せてくれます。

「アイドルが憧れるアイドル」と呼ばれてきただけあって、やっぱり歌も上手いし、ダンスも踊れるし、ルックスもいい。「どうですか私、すごいでしょ!」っていう感じでパフォーマンスをしても、当然カッコいいものになるはず。でも、愛理は決してそうはしない。愛理が見せるのは、あくまでも「ファンを楽しませる」ということを大前提としたライブなのです。

 愛理はソロで活動するにあたって、”アイドルとしての自分を否定しない”といった発言を繰り返しています。℃-ute時代の鈴木愛理も自分だし、ソロとなってからの鈴木愛理も自分であり、それらをひっくるめて鈴木愛理なのだ、と。今回の”PARALLEL DATE”は、まさに過去から現在にかけて積み上げてきた鈴木愛理を2時間ほどのライブにパッケージングしたものです。既存のファンを楽しませつつ、未来の可能性を示すという意味で、初ソロツアーとしては完璧。というか、初ツアーでこの完成度というのは、本当にすごいと思います。

 やっぱり今でも鈴木愛理は「アイドルが憧れるアイドル」なのでしょう。アイドルグループから離れたアイドルのソロ活動としては、今の鈴木愛理は理想型そのもの。今後、多くのアイドルたちが、今の鈴木愛理を目標とするはずです。

 そういう意味でも、鈴木愛理はもっともっと売れなくてはならない! アイドル界の頂点にいると言っても過言ではないはずなのに、CMで「鈴木愛理を、知っていますか?」なんてキャッチコピーを付けられている場合ではない!

 今年のNHK紅白歌合戦の出場歌手が発表されたことを受けて、愛理はツイッターで、

〈いつか『鈴木愛理、紅白落選かーまじかー』って、ナチュラルにみんなが言っちゃってるくらいに大きくなりたい。がんばるぜ!!!夢はたくさん!!〉

 と、投稿しました。「鈴木愛理が当たり前のように紅白に出る世の中こそが正しい」という強烈なメッセージ! 自分自身の価値を十二分に理解しているからこその発言です。謙虚な感じなのがむしろ皮肉に思えてくるのも、格好いいではありませんか!

「鈴木愛理 LIVE TOUR 2018 “PARALLEL DATE”」は12月17日の福岡公演まで続きますし、今年7月に行われた日本武道館公演の様子を収めたDVD/Blu-ray『鈴木愛理 1st LIVE ~Do me a favor @ 日本武道館~』も発売中です。鈴木愛理に触れるチャンスはいくらでもあります。鈴木愛理が当たり前のように爆売れしている”あるべき世の中”に導くためにも、”理想型”としての鈴木愛理のすごさを体験してみてください。(取材・文◎大塚ナギサ)

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