国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布データ
今回はこれまでと趣向を変えて、日本の気になるデータに目を向けてみましょう。
ここ1、2年ほどで「お金」にまつわる記事作成の依頼が増えました。これは、iDeCoやNISAなど、国が非課税措置を儲けた投資制度を推進していることが大きく影響しています。つまるところ、年金や社会保障制度だけで国民の老後を支えられないから、自分の資産は自分で増やしてねということなんでしょう。これからの日本は、公的な扶助だけで悠々自適の老後を送ることは夢のまた夢になってしまいそうです。
そんな状況において、2017年1月から「つみたてNISA」がスタートしました。毎年40万円を投資上限として、その運用益に対して20年間の非課税措置を受けることができるという制度です。この新たな投資制度について、金融庁から「つみたてNISAについて」(平成29年7月)という資料が発表されているのですが、この中に興味深いデータがあります。
それは「積立投資」や「分散投資」のメリットを提示するコーナーの「国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布」というデータ。国内外の株式・債券に分散投資を行い、「5年間」と「20年間」保有した場合の投資成果をまとめたものとなります。
これを見ると、「5年間」の場合は元本割れ(投資額を下回ること)している人もいるのですが、「20年間」の場合は元本割れは0%なんです。
このデータを見ると、儲けたいという意識が大きすぎて、ちょっとの値動きに惑わされて焦って売買を繰り返し、結局損をしてしまう人が見えてくるようです。自戒も含めて、童話の「ありとキリギリス」をもう一度読んでみようかと思いました。
もちろん投資ですから、どんな状況でも元本割れのリスクはあります。しかし、長期間コツコツと積み立てることは、短期間でがっつり儲けようとするよりも効率的になる可能性大。とくに投資のビギナーにとっては、こちらを選ぶのが賢い選択と言えそうです。
「まだ若いから大丈夫」と考えている若者たちは多いかもしれません。でも、 "年金神話"からいきなり放り出された現在の40代や50代は、右往左往しながら資産形成を行わなければならず、しかも失敗が許されない過酷な状況です。若いうちから始められるということは、それだけで大きなメリットなんですよ。
<注釈>
【編集部注】
この記事は、執筆者の個人的見解に過ぎず、執筆者及び弊社サイトがその内容の正確性および安全性を保証するものではありません。
<クレジット>
金融庁(http://www.fsa.go.jp/index.html)より
『つみたてNISAについて 平成29年7月』内の「国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布」
※1985年以降の各年に、毎月同額ずつ国内外の株式・債券の買付けを行ったもの。各年の買付け後、保有期間が経過した時点での時価をもとに運用結果及び年率を算出している。
取材・文◎百園雷太
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