唖然としました。谷岡郁子氏という至学館大学学長そしてレスリング協会副会長である人物が「怒りの会見」を開いたのですが、その主張が明らかに教育者・指導者としての配慮に欠ける内容で物議を呼んでいます。
「私の怒りは沸点に達しています」
谷岡郁子さんはそう言い、60分の会見中のおよそ40分を費やし、耳を疑う内容である「私見」をぶち上げました。
・伊調馨はそもそも選手なのか? 次のオリンピックを目指すのか表明していない
・至学館で練習するなら場所を貸すじゃないか
・栄監督にはパワーはない、そんな人間がパワハラなんかしない
・栄監督は臆病者で小心者だ
・(週刊誌が報じた)栄監督と吉田沙保里一派だけがビジネスクラスに乗った時、伊調にも一応聞いている
この谷岡郁子なる人物、「あれ、どこかで見たことあるな」と思った方も多いはず。この御方、ちょっと前に参議院議員でした。「みどりの風」という政党の代表でした。元々は民主党から立候補しますが離党し同政党を旗揚げ、しかし代表として臨んだ選挙で落選しています。この間、約一年でした。
政治家としての主な功績はほとんど見当たりませんが、民主党代表選挙では鳩山由紀夫の推薦人となっています。脱原発・反TTP・夫婦別姓賛成にするも、外国人留学生に対する厚遇を批判したり尖閣諸島を実効支配するべきだなどの主張をしたりしています。端的にいうと、何がやりたいのかよく分からない政治家でした。
至学館大学の学長は、至学館大が「中京女子大学」という名前だった頃に父親から受継いだと報道されています。え? 一体何年間学長をされているのでしょう。それこそ「癒着の温床だ」と言われても仕方がないように思えますが。
谷岡氏が今回記者会見を開いたのは「同大学の生徒・レスリング部員が誹謗中傷を受けており許せないから」という理由からだそうです。
しかし、義憤にかられたとは言え、このような「自分の言いたいことだけ言う」会見に何の意味があるのでしょう。栄監督も伊調選手も、そして大切な教え子たちも傷付けているではありませんか。
マスコミが「パワハラはあったと思いますか?」という質問に「いつからですか?」と逆質問し、「パワハラという言葉が無かった時代はあったかもしれませんが」と言い放ち、最終的は、
「わかりません!」
とブチ切れる様を見て、至学館大学という学校に夢を描いて入学した生徒たちを不憫に思いました。
谷岡学長には、会見を開くならちゃんと調査をした上でやってください、とアドバイスを送ります。
あなたが会見で大放言したことは、栄氏や伊調氏にとってはパワハラに当りませんか?(文◎編集部)
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