TOKYO MX公式サイトより(毎週月曜日 22時から放送中)
BPOの放送人権委員会は先日、昨年1月の沖縄の米軍基地反対運動に関する「ニュース女子」の放送について人権侵害の成立を認め、TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)に再発防止の努力を一層重ねるよう勧告しました。
勧告を受けたMXについては4月以降の放送を打ち切ることを既に発表していますが、「ニュース女子」はDHCテレビジョン制作の持込番組です。あくまでBPOはテレビ局に対して見解を示す団体ですから、この勧告の影響で番組自体が終了することはありません。
とはいえ全国に現在約30局ある、「ニュース女子」を編成している地方局の対応はどうでしょうか。
彼らは直接BPOから勧告を受けたわけではありませんが、DHCテレビジョンとは違いBPOの存在を無視できる立場ではありません。さすがに全局が一斉に4月から放送を終了することはないでしょうが、徐々に放送局は減っていき、最終的には恐らくゼロになるでしょう。
4月で放送終了する局は半分程度、残り半分は...
まず、4月以降確実に放送を終了すると見られるのがテレビ愛知、サンテレビ、テレビ神奈川、チバテレビ、BS11の5局。他の地方局とは違いこの5局は、都市圏を放送エリアに持つ比較的規模の大きいテレビ局です。
MXが撤退する4月以降は間違いなく矢面に立たされるでしょうから、先手を打って放送を終了するに違いありません。実際にサンテレビとBS11については視聴者からの問い合わせに放送終了、と回答しています。
次に日テレ系列である9局についても同じく放送を終了するはずです(福島中央テレビ、テレビ新潟、静岡第一テレビ、南海放送、福岡放送、長崎国際テレビ、熊本県民テレビ、鹿児島読売テレビ)。
日テレ系列は地方局の横の結びつきが大変強く、恐らく全国横並びで終了、もしくは継続の判断をします。足並み揃わず、という結果は頂点に君臨する日テレが許すはずもなく、このような状況下では終了の一択です。
上記の14局とMXを除くと残りは15局ほどになりますが、恐らくその内10局程度は4月以降も放送を継続するでしょう。
TBS、フジテレビ系列の各局については日テレのように足並みが揃わないでしょうし、びわ湖放送、奈良テレビ、テレビ和歌山の独立局3局に至っては放送をやめる気はさらさらないはずです。お金さえ貰えれば大川隆法総裁の講演会だって放送するこの3局、金払いの良いDHCというスポンサーを手放すはずがありません。
最後まで残る地方局はどこ?
とはいえ4月で終了しない局も放送終了は時間の問題かと思います。どの放送局も「ニュース女子」を番組として評価しているわけではなく、単純にDHCからの放送料金欲しさに放送をしているだけなのですから。
確かに自社で魅力的なコンテンツを作る能力のない地方局にとって、持込番組を受け入れることは利益率の最も高い"ボロい商売"です。しかし、DHCがいくら地方局を潤そうが、それよりも遥かに影響力の大きい株主には勝てるはずがありません。
ニュース女子反対派はその弱点を知っているはずですから、今後株主に対しての抗議をする可能性が高いでしょう。
例えば独立局の場合は3局とも最大の株主は県であり、社長は元県庁の人間です。
もしニュース女子に対するクレームが県に入ったり、デモが毎日のように県庁前で行われたりでもしたら、すぐに放送は終了してしまうでしょう。
ただし、佐賀県の「ニュース女子」ファンだけは少し安心できるかもしれません。恐らくサガテレビはギリギリまで粘ってくれます。DHCの創業者である吉田会長の出身地は佐賀県の唐津市であり、サガテレビにとってDHCは単なるスポンサーの1つというわけにもいかないのです。
このようにニュース女子のテレビ放送の継続はかなり苦しい状況に立たされており、このままでは単なるウェブ番組の1つになってしまいます。
とはいえ番組のファンとしてはその方が誰にも邪魔されず、同じ意見の仲間たちと番組を楽しむことができるのでいいのではないのでしょうか。(取材・文◎編集部)
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