体育会系というと「体力が強靭」というイメージがあると思います。日本レスリング協会女子強化委員長栄和人氏がパワハラ疑惑の最中にいます。現在、体調不良という事で音信普通です。
栄氏はレスリングではソウルオリンピックに出場するなど選手として一流であり、吉田沙保里選手、伊調馨選手など国民的選手を育てた事を鑑みると、コーチとしても優れているのでしょう。
レスリング一本、体育会系一本でやってきた人だという事が分かります。世は文化系、体育会系と分別する傾向があります。
会社も体育会系の学生を以前までは、採りがちでした。体力はあるし、上下関係もしっかりしている。こういったイメージがあるのでしょう。確かにその通りでしょう。しかし、それと仕事が出来るのか、社会に適応できるのかという問題は別です。
確かに厳しい練習に耐えてきたので、上司から怒鳴りつけられるといった、直線的な指導には強いかも知れません。が、文化系上司の理路整然とした、指導には意外と弱い傾向があります。
僕にも経験があります。中学高校と体育会系でした。都内私立のラグビー部に所属していました。最初に入社した会社は営業でした。比較的、体育会系気質は通じます。
しばらくして、出版社に就職して編集職に就きました。上司の編集長は大学時代、天体研究会みたいなものに属していました。彼が怒ると、手がつけられせん。いっその事、殴りかかってきてくれた方が良かったほどです。その分、言葉の激しさがヤンキーとは別の文化系のそれでした。怒り慣れていない人が怒るとこれほど、対応し難いとは思いませんでした。因みに、その人の元では毎月一人辞めていきました。まだ僕はもった方です。
時が経ち、僕が上司の立場になりました。部下に柔道四段の20代前半の人間が入ってきました。丸和坊主で体格も良いです。「こいつなら、怒っても大丈夫だな」そう思ってしまった僕が、上司としての能力が足りないのでしょう。
ある取材を頼んでいたのですが、なかなかやってくれなかったので、業を煮やし、編集部内で静かに注意しました。僕は怒れば怒るほど丁寧語になります。部下にもそうです。編集部内でしたので余計に静かに言いました。
その丁寧語が逆にいけなかったのでしょうか。話し終えた後、涙ぐんでいるように見えました。気にはなっていました。
翌日、僕の机に封筒が置かれていました。重しもなく、ちょっとした事ですぐ落ちそうでした。しわくちゃでした。表には「編集部の皆様へ」とありました。
何のメッセージかと思えば、中身は「もう自信がなくなりました。田舎に帰るので探さないでください」というものでした。
「えええええ!」
一回しか怒った事ないのに。僕の方がショックを受けました。それと、「退職願」(「退職届」でも良いですが)の書き方も知らなかったんだなと、少し可哀そうになりました。もちろん、僕も23歳くらいの時は、知らなかったです。
体育会系って意外とメンタルが弱いんだなと思ったのですが、編集部内で言ったのが良くなかったと反省しています。
かくいう、僕も営業時代、皆の見ている前で「あいつはダメだ。将来ないよ」と聞こえるように言われました。涙ぐむほどムカつきましたが、今となっては良い経験です。そう言った人はしばらくしてから退社し、それから音信普通なってしまいしまた。
栄和人氏は編集部内どころか、社会からめっちゃくちゃに叩かれています。体育会系の最も良くないところが出ている気がします。栄氏は恐らく豆腐メンタルなのでしょう。守りに弱いと言えば分かりやすのでしょうが、彼にはしばらくネット、新聞、テレビ絶ちをする事を勧めます。(文◎久田将義)
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