図1~3は、厚生労働省「新規学卒者の離職状況」の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」のデータを抜粋し、筆者がグラフ化したものです。
4月になるとリクルートスーツを着用した新卒サラリーマンたちの姿をよく見かけるようになります。すでに不惑を超えている筆者には、その眩しいばかりの初々しさがうらやましやら、妬ましいやら。
しかし、会社勤めをしている友人たちのなかには「最近の若いやつらは我慢が足りなくて、すぐに会社を辞める」ということを語る輩も出てきました。部下を持つようになって悩みも多いのでしょうが、年を取るとこれをマジで話すようになるのかとちょっと引いています。
さて、そこで今回は新規学卒者たちの離職についてのデータを調べてみました。図1~3は、厚生労働省「新規学卒者の離職状況」という調査の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」という統計をグラフ化したものです。
図1は大学卒業者の離職率で、ほとんどの調査年で大体3人に1人が在職期間3年以内に退職していることが分かります。図2は短大卒業者、図3が高校卒業者のデータですが、両者とも大学卒業者より多めの約4人に1人が3年以内に辞めています。
大学卒業者に比べて、短大卒や高卒は給与や休暇制度などの待遇面が低い傾向にあるため、キャリアアップを求めて転職することが多いからでしょうか。高卒者は夢を追いかけるため、なんて理由もあるかもしれませんね。
ヤクザな稼業である筆者からするともったいないなという気がしないでもないですが、それよりも重要なのは20年以上前からあまり数字が変わっていないということ。
リーマンショックによる就職氷河期がスタートした2009年など、昔に比べて離職率はかなり低くなっています。
「最近の若い人たち」について語る「昔の若者たち」には、ぜひ統計データを調べてみてほしいなと思います。(文◎百園雷太)
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