図1
図3
「図1」「図3」は総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」、「図2」は国土交通省「平成28年度 住宅経済関連データ」のデータをもとに筆者がグラフ化しています。
日本は昔から"マイホーム信仰"が根強く、結婚したら家を買うことが当たり前のようなイメージがありました。実際、筆者の同窓生で結婚した人たちも、30代半ばを過ぎたあたりから一戸建てやマンションを購入する人が増え始め、40歳になった現在はほとんどの人がマイホームを保有しています。
たまに集まったときに繰り広げられる住宅ローン談義のなかで、持ち家ではない筆者は「大変そうだね」なんて無責任な感想を返すだけなのですが...。
そんなマイホーム派の人たちは購入動機の1つとして、「自分の物にならない住まいに、家賃を払い続けるのがバカらしい」という内容のことを、それこそ判で押したように話します。
もちろんマイホームを購入することが悪というわけではないのですが、賃貸派としては「本当なの?」という思いから、ちょっと賃貸物件を擁護するようなデータを探してみました。
もしかして「賃貸派」は勝ち組なのか?
今回ご紹介するのは、総務省統計局「平成25年住宅・土地統計調査」と国土交通省「平成28年度 住宅経済関連データ」になります。
まず、図1は「住宅・土地統計調査」から、日本の「借家総数」と「民営借家数」の推移です。「借家総数」は民営ほのかに公営やUR、給与住宅を含んだ数値ですが、その中でも民営社宅は半数以上を占めていて、「借家総数」「民営借家」ともに年々増加傾向にあることが分かります。
次に図2は「住宅経済関連データ」の「民営借家の1畳あたりの家賃推移」を示したデータです。平成10年までは増加を続けていましたが、それ以降は微減傾向。賃貸住宅の供給過多のほか、老朽化による賃上げの困難化、市場の安定化など、いろいろな理由が絡んでいると推察できます。
最後に図3は「住宅・土地統計調査」の「賃貸住宅の空き屋数推移」となり、借り手のいない部屋が増加し続けていることが分かります。
このまま全国的に新しい賃貸物件が建てられ、空き屋も増え続けていく状況となれば、それらの家賃は高級から低価格まで多様化していくのではないでしょうか。
となれば、自分の人生に合わせた賃貸住宅を選びやすくなるわけで、倒産や転職などによる収入減少に対するリスクヘッジができたり、持ち家の購入費用を投資に回すなど、よりフレキシブルなライフプランを計画できるようになるかもしれません。(文◎百園雷太)
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