大相撲の池坊保子さん。レスリングの谷岡郁子さん。二人の「女傑」がスポーツ界をかき回していますが、今回は谷岡学長から。
栄和人氏が「よく俺の前でレスリングが出来るな」「伊調のコーチをするな」と言った事に対し、パワハラ認定されました。
谷岡学長の「栄はパワーはない。その程度の人間なんです」と貶めるように見せてかばった奇妙な会見が記憶に残っている人もいるでしょう。が、一転、パワハラ認定です。
日本のスポーツ界が全て遅れている、とは言いませんがコーチの視線はどこにの向いているのでしょうか。
伊調選手は仮にも国民栄誉賞受賞選手です。国民の(支持を得た)選手であって、この時点で、栄氏の選手ではなくなってしまったのです。それを自覚しない栄氏は幼稚性が残っている、大人になり切れていなかったと言えます。「吉田沙保里は私が育てた」と講演で強調する栄氏の気持ちも分かりますし、事実です。
しかし、選手離れというより、栄氏の言動を見ている限り「子離れ」が出来ていなかったように思います。ほぼ選手を娘のように扱ってきた栄氏。ご自分の奥様も元選手ですし(二度目の)。
伊調選手が「他のコーチにコーチングしてもらいたい」と思うのは、選手として、より成長したい、広い世界を見てみたいという向上心の表れですが、栄氏はまるで娘を他の男に奪われたかのように感じたのではないでしょうか。 そう解釈すると、栄氏のパワハラ言動が分かります。今回は、大人になり切れなかったコーチと大人になってしまった選手との間で起こった悲劇と言えるのではないでしょうか。(文・編集部)
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