つい先日、俳優の野村周平さんが"たばこ炎上事件"で話題を集めていましたが、喫煙者にとっては肩身の狭い時代になっています。筆者もけっこうなスモーカーで、居酒屋でたばこを吸うときなんかは大げさに床を向いて煙を吐き出し、「一応、気を遣っていますよ~」みたいなポーズを取るようになりました。まあ、あまり免罪符にはならないのでしょうけれど......。
そこで、今回はたばこにまつわるデータを調べてみたいと思います。
<グラフ1>日本専売公社、日本たばこ産業株式会社のデータをもとに、筆者がグラフ化しています
まず、グラフ1は日本人のどれくらいの人がたばこを吸っているのかという、喫煙率の推移を示したものです。1966年をピークに年々減少と続けていて、2018年には男性が27.8%、女性が8.7%と、喫煙者の数はかなり少なくなりました。
というか、1966年(昭和41年)のときには、男性の8割以上が喫煙者だったんですね。たしかに筆者が子どもだった頃はどの家庭でも灰皿を常備していて、家に訪れたおっさんたちは自宅でもないのに普通にたばこを吸っていたなと。いまでは考えらないことですが、昔は当たり前の風景でした。
<グラフ2>財務省「たばこ税等に関する資料」にあるデータをもとに、筆者がグラフ化しています。国・地方のたばこ税等の税収は決算額、紙巻きたばこの販売数量はにほんたばこ協会調べによる販売実績です
次にたばこ税の推移についてのデータがグラフ2になります。喫煙者は絶滅危惧種のレベルで減少していますが、徴収されるたばこ税は国と地方を合わせて2兆円台をキープしていました。
ちなみに折れ線グラフは紙巻きたばこの販売数ですが、1996年から2016年の約20年で半分強にまで落ち込んでいます。それで税金があまり変わらないということは、どれだけ増税されてきたんだと。
平成に入ってからのたばこ税は、平成10年に0.82円/本、平成15年に0.82円/本、平成18年に0.852円/本、平成22年に3.5円/本の増税が行われていますが、もう平成22年の段階には「吸うなら払えや」という印象です。それでも吸い続けているのですから、自分を含めた現在の喫煙者がカモにしか見えません。
税金を払って社会から責められていることを考えるとマゾなのかという話です。それでも止められないのですから、もう救いようがないアホなんだということで、嫌煙家の方たちに多少の寛容さが生まれてくれないかと祈りたいです。いや、マジで。
とはいえ、受動喫煙がたばこを吸わない人にとって大きな害になるというのは、喫煙者は忘れてはならないことです。その上で、最近は「100%ダメ」みたいなニュアンスの論調が多い気がしていて、吸ってもよい場所は自宅だけみたいになりそうで怖いのですが......。
規制されるのは当然としても、そこに「共存」という考え方が含まれてほしいと思います。(文◎百園雷太)
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