もものかんづめ (集英社文庫)
2018年8月、漫画家のさくらももこさんが乳がんで亡くなるというニュースが報じられました。今年5月に西城秀樹さんが亡くなられたとき、テレビアニメ『ちびまる子ちゃん』のエンディングテーマ「走れ正直者」がテレビから流れてくるのを聞いて昔を懐かしんでいたのですが、それから数カ月で作者のさくらさんの訃報を聞くことになり、なんとも言えない気持ちです。
今回はさくらももこさんの死因である「がん」について調べてみました。
<グラフ1>出典は国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より。データソースは「口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部)」。筆者によるグラフ化となります。
グラフ1はがんによる死亡者数の推移を現したデータです。男女を合わせた総死亡者数は1958年で8万7895人でしたが、2016年には37万2986人となっています。単純な人数で見ると、約60年間で4倍以上にまで増加しました。また、男性、女性ともにグラフは増加傾向を見せていて、比率では男性のほうが死亡者数が多いということが分かります。
<グラフ2>出典は国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より。データソースは「地域がん登録全国推計値」。筆者によるグラフ化となります。
次に罹患者数の推移を示したグラフ2を見てみましょう。1975年の総罹患者数は20万6702人でしたが、2013年には86万2452人と、こちらも約40年で4倍以上にまで増えています。男女別のグラフもともに増加傾向を見せていて、死亡者数と同じく、男性の罹患者数が女性よりも多いという結果でした。
<グラフ3>厚生労働省『「平成19年度 日本における人口動態 -外国人を含む人口動態統計-」の概況 人口動態統計特殊報告』のグラフを転載しています。
また、グラフ3はさまざまな死因別の死亡率推移を示したもので、肺炎や心疾患と比べると、悪性新生物(がんのこと)は圧倒的な増加率です。ちなみに2013年にがんで死亡した人は36万人以上で、全死亡数の3割近くに当たるのだとか。
<表1>出典は国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」より。2013年のデータソースは「地域がん登録全国推計値」、2016年のデータソースは「人口動態統計(厚生労働省大臣官房統計情報部)」。筆者による作表となります。
次に表1は2013年と2016年におけるがん死亡者数が多い部位のランキングです。男性は2013年と2016年ともに胃、肺、大腸が上位を占めました。女性は2013年に1位だった乳房が2016年には5位になったように、ちょこちょこ変動しているようです。
昔に比べて医療が発達している現代においても、日本人にとってのがんのリスクは高くなり続けています。今回のデータを参考にして、自治体の健康診断や人間ドックの受診、罹患したときの備えなど、「がん」について改めて考えてみてはいかがでしょうか。(文◎百園雷太)
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