親に暴行されている子はまず「助ける」じゃないの?
東京・港区南青山五丁目という日本でも一二を争う一等地に、児童相談所と子ども家庭支援センターなどの機能を併せ持つ新しい子ども家庭総合支援センターを建設しようという動きが波紋を呼んでいる。
この建設予定地は「名門公立小学校」学区内でもあるため、地域住民からは大きな反対運動が勃発。これまでに6度の住民説明会が開催されてはいるが、両者間の溝は埋まっておらず、この騒動は近隣を飛び出し日本中の注目を集める大騒動となってしまった。
大きな注目となってしまったのは近隣住民の主張。
「南青山は自分でしっかりお金を稼いで住むべき土地」
「港区民を愚弄するんですか」
といった言葉が独り歩きする形となり、「寛容性がない」「選民思想か」「自分たちでブランド価値を下げている」とバッシングの対象に。
現在では少しでも南青山への児童相談所建設反対意見に賛同しようものなら袋叩きに合うという「私刑」に通ずる動きと化してしまった。
この流れで炎上騒動に見舞われることになったのが、オセロの松嶋尚美氏。19日放送の「バイキング」(フジテレビ系列)に出演した際、以下のようなコメントを出したのだ。
「私は複雑です。もし、自分の所に(児童相談所が)来るとなったら、引っ越しする可能性はあります」
「親に暴行されて『キーッ』となってる子が外にボーンと飛び出して、暴力ふるったり、カツアゲしたりするかもしれないっていう変な心配がありますし、(うちの)子どもも結構流されやすいタイプやし」
「南青山は他にも売るものがあって、ブランドもあって。ファミリー向けにはならなかったとしても、成功した人とか良い所に就職した人のカリスマ的事務所にもなれる場所。(児童相談所建設を退けたとしても)ブランド価値は変わらないんじゃないかな」
これらは「知識がないから」と前置きもされ、さらにコメント後には「ちょっと最悪なこと言ってますけど私」とも補足されている。
また、自身の子どもが通う学校でのトラブルを引用し、「親にされたことを他の子にしてしまう子はいる」というエピソードも公開するなど、多角的な意見の一つとして反対住民の気持ちも汲み取るコメントを展開したのだが、やはり炎上騒動に。
「さすが差別のプロ」
「教養がない」
「知識が無いのがキーってコメントしてるよ」
といった厳しい声や差別的な発言が続々とぶつけられている。
このように異論に対して敵意を向けずに、議論には議論で応戦してほしい。(文◎編集部)
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