「どうやら、特捜は本気で猪瀬氏を狙いに来ているのではないか」。声を潜めてある新聞記者が言う。東京都知事選を目前にしているため忘れがちだが、猪瀬前東京都知事の「五千万円借り入れ問題」はまだ決着を見ていない。
都知事選の手前、東京地検は息を潜めているが、水面下では「動いている」という見方が記者たちの間で広まっている。従って、都知事後の特捜の動きに多くのものは注目している。
「あるとすれば、容疑は公職選挙法違反ではないか」(前出・新聞記者)
しかし、公職選挙法違反だけでは法の規定が曖昧で公判維持が難しいとも言う。すると、贈収賄で引っ張るということも考えられる。これは「金品の受理」に関してだが、猪瀬氏自身が「五千万円の件」に関しては認めているのでやりやすい。猪瀬氏は当時公人であるし、何しろ前述したように「釈明放送」が証拠となり得るからだ。さらに「帯封」の問題もある。五千万円もの大金に帯封がついていなかったことは改めて論じるまでもないが、銀行の名前、判が押してあるはずだが、それも確認されていない。そもそも論として、現金でやり取する必要があったのだろうかという事も改めて問われている。
猪瀬氏はメディアでも散々叩かれ、メディアスクラムの様相を呈していたが、これは彼自身の人望の無さも無関係ではないだろう。『東京ブレイキングニュース』でも連載中の岡留安則・元「噂の真相」編集長も書いていたが、「三十年以上前から嫌われていた」という。副知事時代には、パーティ会場で一人ぼっち猪瀬氏の姿が複数の記者によって度々目撃されている。
猪瀬氏は都知事になってからも傲慢さは治らず、机に足を乗っけながら部下に対応していたことも伝えられている。記者と言えど人間である。それなりに手心を加える事もあるが、猪瀬氏に関して容赦なかったのはこのような背景もあると言える。東京都知事選後の特捜の動きに注目したい。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
Photo by ドキュメント副知事
【関連ニュース】
猪瀬知事に現金5000万円...「徳洲会マネー」資金力の深い闇
【関連記事】
●「細川氏が山本太郎化してる!?」都知事選・細川&小泉陣営にあの上杉隆氏も合流か
●都知事選・細川陣営の選挙事務所訪問で感じた「沈んだ雰囲気」の意味
●第81回自民党大会速報~安倍首相は自画自賛、石破幹事長は舛添支援を強調