和田彩花は日本で最初の「大学院生アイドル」(写真は『美術でめぐる日本再発見 - 浮世絵・日本画から仏像まで』ワニブックスより)
アンジュルムのリーダーであり、ハロー!プロジェクトのリーダーでもある和田彩花さんが、2019年の春ツアーをもってアンジュルムおよびハロー!プロジェクトを卒業することを発表しました。
あやちょこと和田彩花さんは、2004年にハロー!プロジェクトの研修組織「ハロプロエッグ」のメンバーとなり、アイドルとしての一歩を踏み出します。2009年にスマイレージのメンバー選ばれ、リーダーに就任。翌2010年にはメジャーデビューします。
その後、スマイレージはメンバーの卒業と加入を経て、2014年12月に「アンジュルム」に改名。そして、あやちょは2017年にハロー!プロジェクト全体のリーダーに就任します。また、プライベートでは大学で美術史を学び、さらに現在は大学院に進み、研究を続けているという、異色のアイドルでもあります。
そんなあやちょは、以前よりアンジュルムを辞めるつもりはないと公言していました。多くのファンも「卒業などまだまだ先だ」なんて油断していたところでの卒業宣言ということで、今回の発表はかなりの衝撃でした。
今回の卒業宣言にあたって、あやちょはかなり長いブログを更新しています。そこには、アンジュルムというグループで夢を見続けたいと考えていたところから、いかにして卒業という決断に至ったかを詳細に記しています。
皆さまへ
https://ameblo.jp/angerme-ayakawada/entry-12366075751.html
素晴らしい文章なので、多くに皆さまにこのブログを読んでいただきたいのですが、ここではあやちょの卒業後の野望についてピックアップしたいと思います。それは、
"30代になったとき1人でステージで歌って踊っていることが次の目標です。
様々な表現をやっていきたいです。そうなれるよう、20代を過ごそうと考えました。
そして、できればアイドルで居たいのです。"
という部分。つまり、あやちょは、卒業後もソロでアイドル活動を継続すると宣言したのです。
最近では「アイドル25歳定年説」なんてものもあり、それなりの年齢になったらアイドルを卒業し、タレントや女優、あるいはアーティストへ転身していくというのが、定番となっています。あやちょは現在23歳で、おそらく24歳でアンジュルムを卒業することになります。あやちょの卒業もタイミング的には「アイドル25歳定年説」と合致するわけですが、あやちょはあえて卒業後も「アイドル」というものにこだわり、ステージに立ち続けたいと主張したのです。
これは言うなれば、"タイムスケジュール通りにただただアイドル人生が進んでいくだけの予定調和なアイドル"というものに対する強烈なアンチテーゼです。そして、新たなアイドル像を生み出すための、あやちょによる「1人革命宣言」であるともいえるでしょう。これまではメンバーとともにアンジュルムを進化させてきたあやちょが、卒業後はたった1人で「アイドル」という概念を進化させようとしているのです!
もちろん、アンジュルムで活躍し続けるあやちょをずっと見ていたいと願うファンが多かったことと思います。筆者だって、30歳くらいまでは卒業しないと思っていました。しかし、このブログを読み、あやちょが卒業後にどんな形で革命を起こしていくのか、この目でしっかり見届けたいという気持ちが芽生えてきたのも事実です。
この革命宣言は、もちろんあやちょの本音であり、ほかの誰かのためのものではなかったでしょうが、卒業発表にショックを受けるファンたちに新たな夢を与えていることも間違いないはずです。
おぼえていますか? 4人組アイドル「スマイレージ」としてデビュー。『夢見る15歳』で第52回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。2011年には小川紗季が不可解な脱退、そして一番人気だった前田憂佳が突然の卒業をし暗黒時代へと突入する
あのときは良かったなんて言わせません
そして、あやちょはブログで、こんなことも書いています。
"自分がいなくなったあとのグループを考えるのはとても怖かったです。
後輩の成長した姿をみて安心したという先輩とそれを見送る後輩の図をよくみてきたけど、私にはその気持ちが全くわからなかった。大丈夫なんて言いきれないし不安はある。ありすぎるのです。"
ハロー!プロジェクトでも、"後輩が頼もしくなったから卒業を決断できた"というメンバーはたくさんいました。しかし、あやちょは「その気持ちが全くわからなかった」と、先輩に気を遣うことなく率直すぎる気持ちを綴っているのです。常に本音勝負のあやちょらしい発言です。
しかも、あやちょは普段からアンジュルムに対して「自信がある」と発言しているのですが、にもかかわらずの「不安がありすぎる」と言っているのです。あやちょの中の理想像がとんでもなく高く設定されていることがわかります。
そして、その「不安がありすぎる」というところから、1年後に卒業するわけですから、この1年間でアンジュルムを「私が卒業しても大丈夫」と言い切れるようなグループに進化させるということなのだと思います。これからの1年間は、本当にとんでもないアンジュルムが見られるはずです!
2014年12月、3期メンバー加入に伴いグループ名を「アンジュルム」に。メモリアルとなる曲『大器晩成』はめちゃイケのエンディングテーマに。道重さゆみなき今、和田彩花はハロー!プロジェクト全体の精神的支柱となった(写真は『大器晩成/乙女の逆襲(初回生産限定盤A)』より)
卒業を発表した2日後、4月7日にはアンジュルムのホールツアー「アンジュルム コンサートツアー 2018春 十人十色 +」がハーモニーホール座間で幕を開けました。ツアー2日目終了後、4月9日のブログであやちょは、こんなことを書いています。
zama
https://ameblo.jp/angerme-ayakawada/entry-12367006615.html
"今のアンジュルムを見てほしいです。
あのときは良かったなんて言わせません。
あのときになるであろう今を見て!"
何かと懐古主義になりがちなアイドルファンにぶっとい釘を刺すかのような、「今を見て」発言! リアルタイムで進化し、つねに最強を更新し続けるアンジュルムに対する自信がみなぎりまくっています。
このツアーは、5月28日の日本武道館公演でファイナルを迎えます。そこでは必ず史上最強のアンジュルムが見られることでしょう。そして、その1年後、あやちょが卒業する時のアンジュルムは、もっともっと強いものになっているはずであり、さらに言えば、あやちょ卒業後のアンジュルムも進化を続けていくのです。
とにかく今は、あやちょの言葉を信じて、アンジュルムの今を見て、いかに進化しているかを確認するしかありません。あやちょの革命の序曲を聞くために、5月28日は必ずや日本武道館に集合です!(文◎大塚ナギサ)
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