Photo by 月亭可朝の「ナニワ博打八景」―金持たしたらあかん奴
「一夫多妻制を実現する!」という冗談としか思えない公約を掲げ選挙に出馬したり、数千万円ともいわれる多額の借金を博打によって返済してしまったりと、破天荒すぎるエピソードには事欠かない芸人T。
本業は噺家ながら、ギターを抱えて歌い上げた"ボイン"にまつわるレコードが大ヒット。一躍、人気芸人となったものの、数年前に犯してしまったある事件をきっかけに、所属事務所もやめてしまい、ほぼ隠居状態に入っているという。しかも、ワンルームマンションで寂しい一人暮らしをしているらしい。この事情に詳しい在阪の構成作家は次のように話す。
「もう事務所をやめてから数年以上、経ちますね。いまはフリーです。ほんで、定席の落語会には出演せずに、ごくたまに知り合いの独演会にゲストとして出演してるみたいですね。ただ、そこでも前みたいな破天荒な芸やなくて、普通に古典落語を一席、きっちりするそうです」
数年前の事件以来、芸人Tはかなり体力が減少しているのではないかと構成作家は話す。かつては舞台上でうどんを食べたり、観客を全員立たせて落語をはじめたりと、一見すればふざけている芸を見せていたそうだが、いまはそんな体力すらもない様子だ。また、現在の収入源について前出の構成作家はこう証言する。
「噺家さんの収入源の多くは営業です。それがないとアルバイトでもしないと生活はできません。芸人Tは落語会や営業に行かない代わりに、近所のスナックに顔を出しています。そこで知り合いの社長をヨイショしてお小遣いをもらっているとか。まあ、噺家さんにとってはそれも仕事ですけど、芸人Tは本来そういうことをしない人だっただけに残念です」
芸人Tが暮らすマンションの近隣住民に話を聞いたところ、やはり一人ぼっちで生活をしているようだ。何度も芸人Tを見掛けたと話す中年女性が最近の様子について教えてくれた。
「もう噺家さんっていう雰囲気やないんですよ。普通のおじいちゃんっていう感じでね。地味な生活をしてますけど、やっぱりまた派手な世界に戻りたいんちゃいますかね」
その女性はある日、ゴミ捨て場でたたずむ芸人Tの姿を目にしたという。なぜか気になり、近付いてみると、弦が切れてしまった壊れかけのギターがゴミ捨て場に捨てられており、それを見つめていたそうなのだ。
「あれは、芸人Tさんのもんなのか、ほかの人が捨てたもんなのかはわかりません。でも、寂しいような、悲しいような、そういう表情でじーっと壊れかけのギターを見つめてたんです。だから、また舞台に立ちたいんやろうなって思いました」
破天荒な生活を送っていた噺家だっただけに、噂通りの寂しい生活を送っていることが事実ならば、こんなに悲しいことはない。芸人Tが鳴らすギターの音色を聴ける日が待ち遠しい。
Written by 村上茜丸
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