自民党大勝を論じたのならば、希望の党についても総括しなければなるまい。自民党の勝利は希望の党の失策、というよりは小池百合子代表の失敗によるものが大きいからだ。
小池百合子代表は東京都知事でもある。その東京都25区の中で希望の党は、わずか一勝。お膝元、池袋を中心とした東京十区では当初から小池代表の庇護者だった若狭勝氏が落選。散々な状況だ。しかし、9月末に希望の党の立ち上げを発表した当時、誰がこの事を予想しただろうか。
我々は、小池代表の失敗に学ばなければならない。慢心、おごり、調子に乗っている。希望の党設立記者会見から大体、一週間で一気に失速したのは恐ろしいほどだ。我々も日常生活において、必ず調子に乗る事がある。その時こそ、自分を戒めなければならないのを小池代表の得意満面な笑みを浮かべていたわずか数週間前と、10月22日の惨敗会見の疲弊した表情を見ながら、改めて思う次第だ。
明らかに、小池代表は調子に乗っていた。「さらさらない」「排除します」。高揚していたのだろう。東京都知事選、都議選で大勝。それも致し方ないのかも知れない。
これから希望の党は国政において何をするのだろう。ハッキリ言って何もする事がない。自民党の逆張りとしてのリベラル的論陣は立憲民主党と共産党が張るだろうし、そもそも希望の党はリベラルではない。すると国会での存在価値がないと言ってよい。
仕方なく、小池代表が代表を辞めるとすると、日本維新の会のようになるだろう。小池代表が戻るところは東京都庁だ。しかし、その都庁でも都民ファーストで謀反が起きたように、楽して坐する事は出来ない。東京都知事をオリンピックまで大人しく全うするほか道がないのかも知れない。小池百合子代表の「調子に乗っている感」に我々は学ぶ事が大きい。(麻木明)
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