色褪せた都議会選挙での小池代表のポスターは何かを物語っているようだ。
衆院選各社の選挙予想はこんな感じである。
共同通信が自民党288、希望の党69、公明党35、立憲民主党32
NHKが自民党270、希望の党50以上、公明党35、立憲民主党30
日経が自民党258、希望の党70、公明党34、立憲民主党45
が、こんな予想を出した人がいる。『自民党229、希望の党100』。この予想はいわば怪文書のようなものだとされている。
「いくら何でも、自民党230割れ。希望が100はないでしょう」と政治部記者は苦笑する。どうらこれは希望の党方面から出た予想らしい。選挙戦でのちょっとしたエピソードだ。
小池百合子代表の「排除」発言が与えた影響は思いのほか、大きかった。政治家の発言は重い。言葉一つで政治生命が終わってしまう。それで政治家の生業である。削除発言から始まった「希望の党計画」の崩壊。
またTBS系列「NEWS23」の党首討論では小池代表がほとんど政策に触れず「しがらみのない政治」という単語を連発。ハッキリ言ってピンとこない。視聴者は「何のしがらみなのか」ぼんやりと聞いていただろう。都議会選挙は「都議会を牛耳るドン」という敵を立てて、その「しがらみ」からの脱却をアピールして大勝した。が、今回はどうか。
都議会選挙の街宣では熱狂的な応援、「ゆりこちゃーん!」という年配の女性の声が飛び交った。が、衆院選では「ゆりこちゃーん!」と叫んでいた女性層も冷めてきているのではないかという見方が強い。
そもそも「しがらみからの脱却」とは何なのか。都民ファースト都議への取材規制や、衆院選候補とのツーショット写真代三万円など小池百合子代表こそがしがらみではないのかという批判が続出している。
自民党の雰囲気は、ほんの二週間前とは大違いだ。
「小泉純一郎を取り込んだ小池都知事、自民党は大物民間人に接触か」(2017年09月27日)
この記事が出た当時は「自民党は200議席割るのでは」という見方が事務方からも出ており、沈痛な雰囲気だった。が、現在は真逆だ。
10月12日、共同通信が自公で300議席超という予想を出した。
「このまま行ってくれ、です。ただあと10日間。何が起きるのかわからない」(自民党関係者)
警戒しているのは、安倍晋三総裁が都議選の秋葉原の街宣のように、失言・暴言しないかという事だ。それを補うのが小泉進次郎氏の八面六臂の街宣だ。もはや自民党の顔と言ってもよいかもしれない。「隙がないのが隙というくらい完璧」(前出・新聞記者)な評価の小泉進次郎氏の存在はここにきて、大きくクローズアップされている。
自民党は新たな、受け皿になった立憲民主党がどれだけ票を延ばすのがに興味を持っているようだ。希望の党はもはや敵ではないということか。(麻木明)
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