また新しいスターが誕生した。その名は江崎鉄磨・沖縄北方相。この人の発言がなんとも強烈なのだ。内閣改造で就任した直後、地元(愛知県一宮市)で「役所の答弁書を朗読する」ときっぱり宣言したのである。
北方領土問題については「素人。皆さんの知恵で色をつけてもらう」と。
江崎氏は73歳で当選6回のベテランだがこれまで大臣は未経験。ではそんな人物がなぜ今回?と言えば、所属する二階派の事情が関係している。二階派は今回首相サイドに「入閣待機組」を4名推薦したのだが、いわゆる身体検査の結果、4人とも大臣になれなかった。その代わりに二階派で首相から声がかかったのが江崎氏だったという。
※『入閣待機組の悲哀 首相、「仕事人内閣」の思惑 派閥推薦よりリスク回避も江崎氏起用で二階氏に配慮』(8月6日産経ニュース)
江崎氏は入閣要請を一度は固辞したが(高齢で激務に耐えられない)、二階俊博氏に激怒されて就任した。
その前フリがあって「役所の答弁書を朗読する」という言葉につながるのだ。
さてここまでは間抜けな話だが、今度は翌日の閣議後の記者会見で「日米地位協定は少し見直さないと」と語りまた話題になった。
新聞によっては「また失言」と報道したが、これは失言ではなく正論では・・と思った。この人は失言ではなく本音を言っちゃう人なのではないか?と。
日米地位協定はおかしい、そう腹で思いつつもこれまでは大臣になるような人はオモテでは言わなかった。しかし素人すぎる人が大臣になることによって思わず正論がそのまま飛び出したのだ。
これって、外野にいるときは脱原発を主張していたが、2年前いざ入閣したら過去の関連ブログ記事を削除した河野太郎氏とは正反対である。河野氏のような狡猾さは政治家としては普通なのかもしれないが、江崎氏は「新鮮すぎる」。
考えてみれば「役所の答弁書を朗読する」というのも、他の人も同様に考えているが口に出して言わないだけかもしれない。思わずホントのことを言っちゃう大臣。
そういえば江崎氏は先月与野党の議員の会合で、「(安倍)昭恵夫人は国会に呼ぶべき」と発言したという(8月9日発売『週刊文春』)。周囲が慌てる様子が目に浮かぶ。うっかり正論を言う男。これからも失言という名の本音が出て、結果的に一石を投じるかもしれない。ずさんすぎるからこそ注目である。
文/プチ鹿島
Photo/Georgie Pauwels
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