【芸能人不倫報道】文春砲とは何かを考えてみた|文◎久田将義

2018年02月01日 

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まず、皆、文春砲、言い過ぎ。
それに乗っかっちゃった週刊文春側の"調子乗り"もあります。文春砲があるのなら「アサ芸砲」「実話砲」もあっていいはず。例えば日馬富士暴行を報じたのは「スポーツ」であり「スポニチ砲」と称されても良いはずです。

「文春砲」と言っているのはワイドショーとネットぐらいなもので、言われた時には新谷編集長は「いやいや、勘弁してよ」ぐらいの対応をしておけばここまで叩かれていなかった訳です。叩かれたというのは『小室哲哉不倫報道からの引退』です。
そもそも「文春砲」などと、僕から見たら気恥ずかしい名称をつけるほど文春はネタにも取材にも費用にも困っていません。他誌からは「いいなあ文春。あんなに取材班使えて」という声もよく聞きます。実際、週刊誌は文春の一人勝ちです。

なぜそんなに文春はすごいのか。「裁判を恐れないから」に尽きます。

10年以上前、週刊ポストが当時、巨人の清原和博氏がアメリカキャンプ中、ストリップに行っていたという記事を載せました。これは清原氏側から提訴されてポストの敗訴。
このあたりから、名誉棄損裁判の高騰が始まります。昂じてスラップ訴訟にまで発展していくのですが、週刊誌ジャーナリズムも迂闊な事を書けなくなります。当時、僕も裁判をしていまして、記事には自信を持っていたのですが「真実性」よりも、「その記事によって、対象人物の地位が貶められた事の重きを置く。今後、名誉棄損裁判はそのようにします」と裁判官に言われたのを覚えています。

裁判で重要なのは、証人です。取材源の秘匿から、なかなか、証人は出てくれません。「オフレコで言ったのに顔と名前を世間にさらすのは嫌だ」と。当然です。が、文春はジャニーズ裁判で勝訴に近いかたちで終審しました。これは画期的でした。
他誌が委縮している中、文春のこのストレート勝ちは「さすが」としか言いようがありませんでした。また、他誌の優れた記者を文春にスカウトし、優秀な記者軍団を作っているのは有名です。実際、僕の知っている記者も非常にすぐれた取材力を持つ方ばかりです。一言で言えば、マンパワーに優れているという事です。

元々、雑誌はひとつのスクープで売れる訳ではありません。文春で言えば「疑惑の銃弾」が僕の中ではうっすらと覚えていますが(まだ子供だったので)、スクープで売れた例です。そのほか、いくつかありますが、僕がやっていた「実話ナックルズ」的な流れでは「BUBKA」(コアマガジン・当時)の奥菜恵のベッド写真です。

スクープだけ、すなわち、文春砲だけでは文春は売れません。阿川佐和子さんの連載があったり、多彩なコラムがちりばめられたり、グラビアに天敵(?)AKB48を起用したり、雑誌の完成度で売れるものです。そういう意味で僕は冒頭で「文春砲言い過ぎ」と書きました。雑誌としの完成度が高いから週刊文春は売れているのです。

で、「ワイドショーが『文春砲』と言い過ぎ」問題というのもあります。テレビ局の「報道局」は、情報収集力・マンパワーや取材にかけるお金など、さすがだなと思います。
しかし、バラエティを作る「情報局」は、テレビを見ていればお分かりだと思いますが、
「文春砲がまた炸裂しました」
「フライデーが報じるところによると」
「~と日刊スポーツが報じています」
というフレーズを多発。独自取材はほとんどしていないという事です。

このような構図の中、文春砲が誤射したかのような叩かれ方をしたのが、『小室哲哉不倫報道からの引退』です。

この問題を論じるには、「小室哲哉問題」から「不倫問題いけない」にポイントがずれているので修正した方が良いでしょう。

「不倫報道いけない問題」についてフォーカスを当てます。
「小室哲哉不倫報道からの引退」は、介護問題として論じなければならないので、ここでは別のテーブルに置いておきます。

僕は芸能人の不倫は、どうでも良いし、芸能人はむしろ不倫してこそ我々、一般人のネタになる異界の住人だとも、とらえています。一般常識では語れない世界が芸事の世界ぐらいに考えています。
一般人で不倫している人は多々いるのに、芸能人だけこれだけ話題になるのは公共性が強いからという問題もありますが、それで売ってきているからです。また、テレビや雑誌を見たり買う人がいるから報じているのです。需要がなければ供給しません。きわめて単純な構図です。

元々、人間とは「他人の不幸は蜜の味」と言う通り、全部が下種だと困りますが、ある程度下世話な話題が好きな生き物です。江戸時代の瓦版が流行ったのと現在も変わりません。

不倫報道がいけないと言うのなら、火野正平の時は? 矢口真里は? ベッキーは? 皆、テレビをつけていましたよね(それで良いのです。何を見てはいけないなどと誰も言う資格はありません)。

視聴率が良いからワイドショーも放送します。分単位で、どの話題で視聴率が上がっているかグラフで出てくる訳ですから「不倫報道許せない」という人はテレビを付けなければ良い事。その時だけ数字が下がります。それでも放送するのですから、やはりサイレントマジョリティがいらっしゃるという事でははないでしょうか。

需要があれば文春砲(僕は個人的にこのフレーズを使いませんが)はずっと放ち続けるでだけの事です。


文◎久田将義

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