「東京オリンピック2020」が決まってからというもの、じいさん、ばあさんの張り切りぶりが目立つ。
「7年後までは絶対生きる」「オリンピックを見てからでないと死ねない」「生きねば」というハッキリとした目標ができたからだ。これは強い。気合が入ったことで今まで以上に健康に注意する。日本の医療費と平均寿命はさらに伸びる。
かつて、コント「ゆーとぴあ」のホープ師匠は「人生は長いようで短い。短いようで長い。そう、この1本のゴムのように......」と言ったが、「7年」という時間はまさに絶妙。
いったい、「7年」はどれぐらい長いのか?
先週イベントでそんなことを話したら、共演者である「みち」さんがすぐに教えてくれた。みちさんの肩書のひとつに「ネットワーカー」がある。黎明期からネットを見続けてきた彼は、毎日「5000サイト」の情報をチェックしているのだ。
で、ネットワーカー・みち曰く「少し前にネットでも話題になったのですが、"7年後"という時間を実感するための最適な例があります」と言って見せてくれたのが、「7年半待ちのコロッケ」なのだ。
え、7年半待ち?
神戸の「旭屋」が通販しているコロッケが、今から注文すると7年半後にようやく届くほどの人気なのだという。
さっそくHPをみると『神戸ビーフコロッケ極み【約7年半待ち】』と書かれていた。
いったい何が違うのだろうか。
商品説明を読んでみると「肉とイモにこだわりがある」ことがわかった。
そうだったのか......。
それより「よくある質問」コーナーに味わいがあった。
・極みコロッケと他の商品を一緒に購入しました。 配達はいつになるのでしょうか。
・極みコロッケをいつ注文したのか忘れました。
・引越ししました。電話番号・メールアドレスが変わりました。
なかなか他の通販にはない質問だ。
ちなみに最初の質問だが、「極みコロッケと他の商品を一緒に購入すると、他の商品も配達は7年半後になる」らしい。これは気を付けたい。
こういう質問もあった。
「テレビ放送で番組内で極みコロッケが使用されてますが?」
つまり、「テレビのスタッフは7年半前から企画して注文していたのかよ」というツッコミである。
この答えは、
「テ レビ放送で番組内に提供している極みコロッケでございますが、こちらは出荷まで大変長い間お待たせする商品のため配達に行くと空き地になっていたり転居先 が2転3転して転送している間に品質保持期限が無くなったり、その他ご事情によりお届け出来ない商品が出てきております」
らしく、
「テレビ撮影などの商品提供はこの在庫から提供しております。タレントやテレビだから特別扱いしているのではなく、まだ食べられるけどお金を頂いて販売出来ない商品を使って撮影しています。」
という。「じゃぁ、その在庫でもいい」という野暮は言ってはいけない。それが暗黙のルールを学んだ大人の振る舞いだ。
それにしても、今から注文したら「東京オリンピック」が終了したあとに届くコロッケ。タイムカプセルのようなコロッケ。「7年」という時間を味わうなら注文しておくのもひとつの余興だ。
そんなことを話したイベント終了後、楽屋に大人計画の宮崎吐夢さんが。
感想を聞くと、「あのコロッケ、伊集院光さんも去年ぐらいにラジオで紹介してたんですよ。その時は「6年半待ち」だったんですよ」。
え、伊集院さんが紹介したら「プラス1年」延びたということか。なんたる影響力。
この日刊ナックルズで今回紹介したら「プラス1か月」延びて「7年7ヶ月待ち」あたりになったら微妙に嬉しい。
以上、今週の余計な下世話でした。
【関連記事】あの安倍首相プレゼンは「外国人はツッコミが厳しい」を逆利用した!?
Written by プチ鹿島
Photo by Eneas
【関連記事】
●シリーズ「ネットウヨク論」第8回:インターネットで情報収集する際の基礎知識 「ネット上での声の大きさには理由がある」