プチ鹿島の「余計な下世話」

元貴闘力が12月プロレスデビュー「本当の復讐」とは? プチ鹿島の世相コラム『余計な下世話!』連載12

2013年10月08日 プロレス 大仁田厚 貴闘力

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 衝撃的な事件が起きた。

「リアルジャパンプロレス」の9月28日後楽園ホール大会に元関脇「貴闘力」(鎌苅忠茂)が来賓として観戦していたところ、大仁田厚に襲われ病院に運び込まれたのだ。

 貴闘力は復讐のために12月の大会でリングに上がるという。

 若貴ブームを支え引退後は大嶽親方として活躍していた貴闘力が、角界から追放されたのが2010年の野球賭博事件。

 あの事件は不思議だった。関与した人間はたくさんいたのに貴闘力と琴光喜だけが解雇。狙い撃ちされたのか? そう思わざるを得ない異変がこの年の2月にあったのだ。それが「貴乃花の乱」だ。

 それまで無投票で決定していた相撲協会理事選挙に、貴乃花が二所ノ関一門を離脱し立候補。ガチンコ選挙でまさかの当選。その功労者が「貴乃花グループ」の 大番頭であった貴闘力であり、グループ以外で貴乃花に投票したのが琴光喜だと言われた。だからこの「立役者」2人がパージされたという説。

 直接貴闘力と話をしてみたい。聞いてみたい。私はその思いで2011年2月にトークライブを開催した。手紙を出したり経営する焼き肉屋に何度も足を運び、遂に出演オッケーの返事をもらった。

 貴闘力は言った。「俺はまだ5%しか言いたいことは言ってない」。

 ライブのもうひとりのゲストは雑誌で貴闘力にインタビュー経験がある吉田豪。私の「貴闘力シフト」のために参加をお願いした。幸か不幸かトークライブ決定直後に「大相撲・八百長メール事件」が勃発、異様な緊張感のなか当日を迎える。遂に貴闘力登場。超満員の観客の歓迎が伝わったのか表情が少し柔らかくな る。

 しかし「貴乃花の選挙」の話を私が始めると、明らかに顔色が変わった。

「貴乃花グループ、つまり貴闘力さん一派は八百長をしないガチンコ集団だったからこそ守旧派に狙い撃ちされたのでは?」「貴乃花が理事になれば新しい相撲界に生まれ変わる、それを嫌がる人がいたのでは?」と事件の核心、いや憶測を思い切って聞いた。ついでに「若乃花のことは嫌いなのか?」とちょくちょく聞いた。

 八百長問題は事前にNG項目になっていて「その話が出たら帰る」と言われていたが、そうなっても仕方ないと覚悟して聞いた。

 貴闘力はニヤっと笑って言った。「今日はその話はせんという約束やろ」。

 器が違いすぎた。観客も大喜び。

 今後の話も聞いた。「格闘技、プロレスのオファーはないのですか?リングに上がるつもりは?」

 すると現役時代のエピソードを話してくれた貴闘力。

「地方巡業に行った時、近くに全日本プロレスも来ていた。遊びに行ってテリーファンクと軽くスパーリングやった。「今夜すぐメインイベント取れるよ」と言われたよ」。そして「今年からトレーニング始めてる」というまさかの返答。

 そういえばこんなことも言っていた。

「俺、悪役になりたかったんだよ。本当は(同門だった)若貴の敵になりたかった。だって若貴の顔を張り手で血まみれにすれば俺おいしいじゃん。9割には憎まれても1割のファンには好かれるじゃん。」

 お客をヒートアップさせるならヒールも辞さないサービス精神旺盛の貴闘力。格闘技にしろプロレスにしろ、リングに上がるのは当然と言えば当然だと思う。

 トークライブの最後は将来が有望な4人の息子たちの話になった。その素質と夢を貴闘力が語ると観客から大喝采が起きた。(その後、長男は格闘家志望を表明)

 自身は飲食店の経営者として成功。これでもし息子たちが将来相撲界に入り貴乃花部屋で出世したら......。

 大仁田への復讐はともかく、貴闘力の「本当の復讐」は順調に始まっている気がするのだ。

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Written by プチ鹿島

Photo by 邪道でごめんね/ぴあ

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邪道でごめんね

大仁田も精力的。

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